美術館の悪魔

卯月姫@夏花
@hanahanasikihim

〝悪魔〟vs〝悪魔〟

今日もまた血塗られた床を代償に夜が明けた。

「なんでなんだ…?!戸締まりも何度も確認して、仮眠を取るにしても長くて30分くらいしか取っていないのに!!あの量の血を短時間で運ぶには大きな出入口が必要なはず…正面入口のドアの鍵を完璧に開けて作業を行い元のように閉めていくなんて、30分じゃ不可能だ!!しかも何の音もしないなんてまるで…!!」


そう、まるで

〝本物の〟悪魔の仕業みたいじゃないか。


思わず苦笑が漏れた。

「…まぁ僕も似たようなもんだけど…」

勝手に住み着いてる場所で起こってる事件を(頼まれてもないけど)解決してやろうとしている僕はさしずめ気まぐれな美術館の悪魔だな。

…いや、なんっか違うな…。何だろう?…あ、天使に恋した悪魔か。納得。

そうだ。あの子が怯えないように、とっとと解決してしまわない…と…



…怯えないように?あの美しい少女は、もうすでに怯えてなんかないじゃないか。最近起き始めた事件じゃないんだ。なのにスノーは…まるで…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

初めからわかっていたような感じだった。




…まさか?




いやそんな訳ない




でも




もしかしたら?




あれ?僕は、




スノーを疑ってるのか?





開館時間になった。いつもと変わらない朝だったはずなのに。僕は何を考えてるんだ?


スノーが悪魔じゃないか、なんて…


でも真っ黒な格好や、あの美しい白い髪もそう考えれば納得が…いや違う!!そんなはずない!!…そう思いたいのに、あぁほら。最悪だ。またカミサマは僕に意地悪をするんだね。


「やぁ、スノー…」

「…どうかした?」


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永い時を生き、それでも夢見たのは、誰かのそばにいること。

魚が泳ぐ教室で、『神様』と話したありふれた夏のこと。