美術館の悪魔

卯月姫@夏花
@hanahanasikihim

音のない犯行

その日の夜、僕は血溜まりのことについて考えていた。


「うーん…よくわからないなぁ…愉快犯…も違う感じがするし…まずどうやってあれだけの血を集めてるんだ?そんな物騒なことがあったらいくら何でも噂になるはず…」


こういったことに関してはさっぱり頭が回らない。

そうして、僕はいつの間にか睡魔の甘い罠に引き込まれて…





しばらく経った日の朝。


ヒソヒソ…『おい知ってるか?!この美術館に悪魔が棲んでるっていう噂…』

『知らない奴なんていねぇよ!毎日血溜まりが現れるってんだろ…怖ぇよな…』

『イケメンなのかなぁ悪魔様って…!』

『こら!何言ってんのよ!!』ヒソヒソ…


美術館の前は美術館の見学者と野次馬でごった返していた。見学者の数は最初は物珍しさから若い世代を中心に増えた。だが最近はただ血溜まりが現れるだけという気味の悪さからだんだんと減ってきていた。


しかし、それでも


「あっ!!スノー!!」

「…」

スノーは毎日来てくれていた。気味が悪くないのかと聞いたら「元は変わらないから…」大丈夫らしい。意味はわからなかったけど…(笑)

だが血溜まりが現れる場所は誰だって気持ち悪いと思う。だから僕は(スノーのために)一刻も早くこの事件を解決しようと思って、最近夜にこっそり美術館の中を見回ったりしている。まぁ仮眠を取ったりしつつだけど。


それにしても不思議なんだよね。


犯人が来ているはずなのに




・・ ・・・・・・・・・・・・・

足音も血溜まりを作っている作業音も




何1つ聞こえないんだから。

著作者の他の作品

人の姿を借りる『鏡人形』。「心を貸して」と唱えるだけで、僕は誰にだって為れる。

永い時を生き、それでも夢見たのは、誰かのそばにいること。