美術館の悪魔

卯月姫@夏花
@hanahanasikihim

Who done it?

なんとなく胸騒ぎがして、偶然早く起きた朝だった。

「なっ…!どうなってるんだ、これ…!!」

昨日はなかった。間違いない。警備員が最後に見回ってるのを見たし、僕が〝家〟に戻る時も何もなかった。

ということは、この血溜まりは僕が寝ている間の夜中に現れたことになる。

(〝犯人〟は…鍵は閉められていたからどっかから忍び込んだんだろな…それにしても、よりによってこの絵の前なんて…!!スノーの場所が汚されたじゃないか!!)


まだスタッフたちは来ていない。

事が明るみに知れたら美術館を閉めてしまうかもしれないが、自分一人ではどうしようもない。

「余計に触らないでおくか…」



スタッフたちがやって来て血溜まりを発見し、現場は大騒ぎになった。

しかし、スタッフたちの話し合いの結果、美術館は通常通り開けることになった。

美術品に実害があったわけでもないし、この街の唯一の名所とも言えるここを閉めるわけにもいかないそうだ。

大人の身勝手さに初めて感謝した。


ドアが開いて人が入ってくる。

血溜まりがあったことなんて露知らず。


「あ!やぁスノー!」

「…」

僕を一瞥して絵の前に進むスノー。

きれいに掃除されてはいるがまだ血が残っていそうな気もする。

そしてスノーの足が…

「あっ!!」

「…?」

「あっやばっ…いや?何でもないよ!」

「…ふーん」

疑惑の目が痛い…。

いつまで隠せるかなぁ…


すると、ものすごく珍しいことにスノーが僕に話しかけてきた。


ねぇ、どう思う?

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魚が泳ぐ教室で、『神様』と話したありふれた夏のこと。

永い時を生き、それでも夢見たのは、誰かのそばにいること。