黒の異端者と青い竜

和泉@夢垢 色々書いてる
@Izumi2p5f7f

第 XXV 話 【ゼロと零】

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第 XXV 話












自分以外、誰もいない、何もない空間…




“此処”に来るのは、久しぶりな気がした…





「ネロ」




名前を呼ばれ、そこを見る



自分とそっくりで、けれども雰囲気や気配、何より顔付きが全く異なる…もう一人のオレである【マコト】がいた。




「どう?この世界は?」




どうだって?最悪だ


無駄に煩いわ、鬱陶しいわ、記憶奪われるわ、思い通りにいかないわ

オレの予想を遥かに超える事があり過ぎるわ


中で眠ってる方がいい


「…それだけ?」



……………


ほんの少しだけど…



彼奴らは…良い…連中だよ…



「! 君なら、そう言ってくれると思った」



………………………。


こうして会うって事は…もうすぐお前が目覚めるって事だな…



「うん。でも…嫌そうだね」



……………ああ…


いや、眠りたいのは事実だ。オレみたいのは表に出ない方が良いんだからな。



……だけど……



あのどチビ…青竜を…助けたい…!



「………… 」



………なあ、頼む……


もう少しだけ…オレを出させてくれ…


彼奴をああしてしまった切掛を作ったのはオレなんだ

だから………助けさせて…!




「わかってるよ、それくらい」




「頑張ってね、もう一人の私」



















「………ん…」



目を覚ますと、暗い室内…仮眠室にいた。

数回瞬きをして、起き上がる…と頭部に鈍い痛みが走りそこを押さえる。


触れた場所は包帯とネットで覆われていた…



「…そう言えば、青竜と戦った後…」




最後に覚えてるのは、青竜を撃退させた後…


山野バンと大空ヒロも合流し、漸く戦いが終わったと思った時…


上空から現れたミゼルトラウザーが変形し、トキオシアに攻撃


たった一撃、されどもその威力はとんでも無く、街にクレーターを作り、破壊されたのだ。



幸いTOには暴風だけで済んだが…



「・・・飛んできた瓦礫が直撃したんだっけ・・・」



爆風で飛んで来た瓦礫がネロの頭部にクリティカルヒット。そのまま気絶したらしい

………超ダセェ……orz



「って事は随分気絶してたな…今何時だ…?」



ベッドの近くにあったCCMを取ると、何時も起きる時間であるのを知る。

どんな状態でもこの時間には必ず起きるのな…と呆れて…



…確か、ミゼルがトキオシア吹っ飛ばした後は…







・・・・・・







全国に自分達の言葉を発して数時間後…



疲れから眠りに落ちる仲間達を見ると、バンは一人部屋を出る




辿り着いたのはTO社オフィス前


誰一人居ない広場…放送を聞いた者達が来ると信じたいがあまり、そこから動かずにじっと待つ…




「立ったまま寝る気か」




聞こえた声に振り向くと、ネロが呆れ顔でバンを見ている




「ネロ!ダメだよ寝てないと…!」

「この時間帯は起きるって言っただろ。寝たくても寝れん」

「じゃ、じゃあ安静に…」

「だが断る」



植え込みに座り込み動こうとしない

…もしかして…



「…俺を追って来たの?」



ビクリと過剰反応。どんぴしゃりである。



「か、勘違いすんな!明日の決戦で他の連中がいないと成り立たない訳であってだな…!」

「…ネロは優しいね」

「何を・どうしたら・そう言う考えに至るんだ???」



頬をミョーンと伸ばされる。チクショウ柔らかいな←

座り直したソラの隣に座り、誰もいない階段を眺める。



「…来る…かな…」

「さあね、普通でも集まる確率は低い。さらにミゼルの存在を知った後となれば一気に下がる」

「・・・ソーダヨネ…」



アハハ…と情けなく笑うバンを横目にネロは視線を遠くへ向ける



「…【ゼロ】と【れい】の違いって知ってるか?」

「え?」



唐突に言われキョトンとするバンに再度同じ事を聞く。が違いが分からず、首を振る



「【ゼロ】は何もない、小数点も存在しないもの、【無】を示している。カウントダウンとかでよく言うだろ?」

「あ…うん」

「一方で【零】は、小数点を含めた数があるものを示す時に使われる。夜中の零時とか、降水確率とか、少しであれ1以上の数字が存在する場合に使われる」




そこまで言い、視線をバンへと移す

赤い、マコトとは違う…深紅の瞳は月明かりに照らされ、輝いてるように見え、魅入ってしまう…



「お前が行動しなければ助けに来る確率は永遠に【ゼロ】だった

…が、お前は自分の大好きなLBXの為に行動を起こした。多少であれ、LBXを大切に思ってる連中の心を動かすきっかけを与えた。

その結果…【ゼロ】は失われた」

「…!」

「信じろ、確率が【ゼロ】でない限り。お前の言葉を…心を受け取った者達は必ず現れる」

「……ああ」



真っ直ぐ言われ、バンの中にあった不安は消えた…











2時間、3時間経ち…気配のないまま夜明けを迎えた…






バンに寄り掛かり眠るネロの顔に前髪が掛かっているのを見てそっと払い…同時に閉ざされていた瞳が開く。



「あ…起こした…?」

「………」



バンの問いに答えずある場所を見つめるネロ

立ち上がり、階段下を見て驚くとバンに振り向く



「どうやら【ゼロ】でも【零】でもなさそうだぜ」

「え…?」



急いで立ち上がりネロの隣に立ち…その光景に驚いた。


老若男女、知らない人から見覚えのある人…

沢山の…LBXを愛する人達が集まって来ていたからだ…




嬉しさから笑顔になるバンに

ネロもまた笑みを浮かべて答えた。