黒の異端者と青い竜

和泉@夢垢 色々書いてる
@Izumi2p5f7f

第 VI 話 【一年前の物語】

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第 VI 話




キャンベルにミゼルトラウザー出現。移送中だった【セト50】を強奪

各地でLBXの暴走が発生



「探したくても、ミゼルトラウザーはどこに行ったのかも分かんねぇ!」

「でも、見つけたところでどうやって戦う訳?」


悔しさと疑問が飛び交う中、NICSに大統領からの連絡が入る


大統領は世界国家首脳会議でNICSを中心に対策をすると言い、それが同意されたようだ。

世界各国の重要施設が短時間でミゼルに支配されてしまっては、最早軍事的行為に出ることすら出来ない。


《このような大変な状況にあるにも関わらず、各国の足並みは揃わないまま、国家同士が疑心暗鬼に陥ろうとしています。今は我々が争っている場合ではないというのに…》



そう伝える大統領は険しく、辛そうに顔を顰めている



《このままでは、いずれ世界中はミゼルの支配下に置かれてしまう。なんとしても彼らを阻止しなくては》

「分かりました。我々も出来る限りの調査を続け、対策を考慮します」

《お願いします。私も各国の意志を1つにする為、全力を尽くします》



そう言って通信を切った


…こうなればなんとか対策を練る以外に道はない。

すぐにミゼルトラウザーを見つけたいところだが、今だ行方は分かっていない…




その数時間後、今度はドイツにベクターが現れたと言う悪い情報



「ミゼルの野郎…やりたい放題やりやがって!」

「ミゼルの居場所を突き止める方法、何かないんですか?敵がどこにいるか分からないんじゃ、どうにもなりませんよ。」

『確かにそうだ。が、居場所は分かれど、ミゼルトラウザーと大量のベクター…今のオレ達に勝ち目はない』


自らの言い分をあっさりとへし折られ、どうしようもなくなる一同。

そんな中…



「いや、ミゼルに対抗する方法が1つだけある」



皆の前に博士が現れ、そう告げた



「それは本当ですか?」

「あぁ。私がイノベーター研究所に居た時に設計した究極のLBX、【AX-000(トリプルゼロ)】だ。」

「イノベーター?」

「AX-000?」



聞き慣れない単語に首を傾げる一方を見た博士は見渡し、丁度いい機会だかたその事を話しておこうと告げて、ドアを見る



「君も聞くだろう?」

「……………」



数秒後、ゆっくりとした歩みで部屋に入る、一台のパソコンを持ったネロ

ネロは一度だけ周りを…バンさんを見てから博士に向く



「イノベーターは興味無ぇ、聞きたいのは【AX-000】だけだ」








・・・・・・・







皆が席に着き、その話は始まった


 イノベーターとは、政治家【海道義光】が世界を支配する為に作り上げられた秘密組織。海道義光は海道ジンの叔父であった。

嘗て海道ジンと灰原ユウヤはイノベーターのLBXプレイヤーとして山野バン達の前に立ちはだかっていた

…この時点で古城アスカが混乱したようだ



「6年程前、私はLBXのモーターを効率化する研究をしていた。

そして、その過程で人類の希望と言うべき無限稼働機関のヒントを掴んだんだ。」

「【エターナルサイクラー】…だね」

「私は無限稼働機関【エターナルサイクラー】の開発を決心した。しかし…実験は困難を極め、中々前には進まなかった。」


設備に限界を感じていたある日、石森里菜の誘いで【ネオテクノロジーサミット】に参加することになった。

しかし、そんなものは存在せず、海道義光が仕組んだことであったのだ。

当時飛行機に乗っていた全ての人々が世間的に飛行機事故で亡くなったと言われても、潤沢な資金と最高設備の中で思う存分研究が出来ることを選んだらしい。



「誘拐されたって事ですか!?」

「そうだ。イノベーターは私が【エターナルサイクラー】を開発していることを知った。

直ぐに奴らは【エターナルサイクラー】の完成と自律稼働型LBXの研究を私に要求してきた。」



 

山野博士は納得出来なかった。だが海道義光は、山野バンの存在をちらつかせながら要求してきたので、研究をするしかなかったのだ…


この事実に一番驚いているのは山野バン本人。

自分のせいで父親が隔離されていたと思うとショックで仕方なかった。



研究はやるしか選択肢がなかったようだ。

皮肉にもそこで無限の可能性を【エターナルサイクラー】が秘めていることが明らかとなった。


だが博士は単純に喜べず、恐ろしくも感じたらしい。

エターナルサイクラーが悪用されれば、あるのは絶望のみだからだ。


「そこで海道が【エターナルサイクラー】を悪用し世界を支配しようと目論んでいるのを知った。海道に渡すわけにはいかないが、実験を中止すれば人類から希望を奪うことになる。そして悩んだ末、私はその機密データを【プラチナカプセル】に入れて逃走した。」

 (…ここは原作と違うんだな…)



原作ではここで【AX-00】の完成された話が出てくるが、その単語すらない

代わりに出たのは【プラチナカプセル】

黒竜(現在は青竜)と呼ばれたLBX(あいつ)の中に、シヴァによって入れられた…



 

そして、エターナルサイクラーを巡った戦いがあった。







大空ヒロ達は1年前に何があったのかを漸く理解する。



「それで博士。【AX-000】と言うのは…。」

「言った通り、当時の技術では【AX-000】を作るのは不可能だった。だが、だからと言ってイノベーターに設計図の存在を知られてはならない。だから私は、その設計図を消去した。」

「「えぇー!?」」

「……うるせぇな…」



ミゼルに対抗出来る唯一のLBXの設計図は消去してしまったのだ。驚くのは当然


一同は驚愕の表情で博士を見つめる。いくら対抗出来るものがあったとしても、根本的な設計図がなければ対抗出来ないからだ。

失われた設計図を取り戻すのは、ほぼ不可能とも言える。


「それじゃ【AX-000】は作れないじゃんかー!」

「どうすれば…。」



せっかく見えかけた希望を失う一同にネロは溜息を吐く



「…100%不可能じゃねぇ。【復元】がある」

「復元?」

「データが消去されてもサーバーにデータの痕跡が残っていれば、そこからリスターして設計図を復元…」



そこまで言って言葉を止める。

どうしたのかと皆が見る中ネロはパソコンを操作し続け…



「全員3秒間耳塞げ」



言ったと同時にエンターキーを押し、同時に部屋の中に響いた嫌な音

例えるなら黒板を引っ掻いたような、マイクから時々聞こえるあの「キーン」と言うような、そんな音がして皆が耳を塞ぐ。


それが治り溜息を吐いたネロに真っ先に古城アスカと花咲ランが怒鳴る



「なんなんだよいきなり!」

「嫌な音流すなら最初に…!」

「盗聴対策で流したんだ仕方ないだろう」

「盗聴…?」

「今の会話、ミゼルに聞かれた」

「「⁉︎」」



ネロはパソコンを操作し続け、同時に話も続ける。



「さっきの続きだがオレならデータの復元が出来る。それに彼奴マコトの時にだが研究所に潜入した記憶もある。それらを踏まえれば行くならオレが行った方が良いだろ」

「データの復元なら私が…」

「石森里奈は山野淳一郎博士らとそのデータを元に新たなLBX開発に必要なデータを作成した方が良い。それに今のを聞かれたとすればミゼルも黙って無い、戦闘慣れしてる奴が行くべきだろ?」



淡々と述べる、しかし言ってる事は納得出来る言葉に黙り込む。

確かにミゼルが聞いたとすれば戦闘は免れない、慣れていない博士を行かせれば危険だ。

それにある程度作っていれば、新型LBXの完成が早まるだろう…



「しかし、君は…」

「だったら保護者がいた方がいいだろう」



山野博士が何か言う前に、今まで黙っていた檜山蓮がネロの肩を叩く。



「なんで…」

「ゴライアス潜入時のように警報解除中に大量のLBXが襲ってくる可能性がある。いくら優秀なお前でもそれを倒しつつデータの復元、回収なんて無理だろ?」

「・・・・・っち」



言ってる事が正論だったらしい、ネロは忌々しげに舌打ち。

一方檜山蓮は山野バンと河村アミ、青島カズヤ、海道ジンに目を向ける。



「バン、アミ、カズ、ジン。お前達も同行してくれるか?お前達は一度研究所に入った事がある」

「…ああ!」

「もちろんだぜ!」

「その間、僕らは…」



大空ヒロの呟きにネロはパソコンからデータを送信し、大画面に画像を流す。

鉱山のような場所で、その側には何かの結晶にような物が見れる



「余った連中何人かは中国に行って、此奴を回収するんだ」

「これは…?」

「【スタンフィールインゴット】地球上最も硬いと言われる鉱石。

【AX-000】のエネルギー不足を補う為に【エターナルサイクラー】を応用するは良いが、通常のコアスケルトンでは耐熱性が衰えている。そこで宇宙開発にでも使われている此奴を使いLBXを作成すれば、ベクターに対抗出来る筈」

「確かに、【スタンフィールインゴット】なら、耐熱性も強度も十分だ。」

「じゃあいけますね!って…普通に買えるんじゃ…」

「ここ数ヶ月供給は停止、市場には出回っていないの。」

「元々流通量がとても少なくて、レアメタル中のレアメタルとも呼ばれているのよ」



レアメタル中のレアメタルで出来た究極(笑)LBX…

…それ考えたら壊すのもったいねー

おのれミゼルめ…壊す前にオレに寄越せ←


その考えを見抜いたらしい檜山蓮と紅竜にジト目で見られて咳払い



「兎に角ミゼルもそれを考えて来るだろう。LBXを暴走させ、スタンフィールインゴットを得る為に」

「だったら僕たちが行きましょう!」

「そうね!」

「…話はいいか?オレは戻る」



パソコンを持って部屋を出て行くネロ


その後ろ姿を山野博士が心配そうに見ていたのを、山野バンは気付いていた