黒の異端者と青い竜

和泉@夢垢 色々書いてる
@Izumi2p5f7f

第 V 話 【とも】

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第 V 話




ミゼルと名乗る人物、大量に現れたベクター、変貌したエクリプス




そして…






「青竜がミゼルの配下になっただとッ⁉︎」



信じられない事実に拓也さんは声を荒げ、博士達も驚いた様子で此方を見る



…あの後、私達に敵意を剥き出しにした青竜は、ミゼルの掌に飛び移るとそのまま変形したエクリプス…ミゼル曰く【ミゼルトラウザー】に乗り何処かに行ってしまった…


何も出来なかった

なんで青竜が敵に?【友達】とはどう言う意味?



あまりもに衝撃過ぎて、立ち尽くす事しか出来なかった…



「確か、変わる前に青竜はCPUの調子が悪いと言ってたな」

「はい、でもベクターに触られた事は…」

「じゃあどうやってミゼルの配下に?」



深まるばかりの謎…

それに気をとられて、誰も気付かなかった…









「どういう事だ…?」




聞き覚えのある声

A国で…いや、正確にはパラダイスで聞いた事のある声


振り向くと、檜山さんと一緒にシーカー本部に来たばかりの…ネロがそこにいた











・・・・・・・










「なんでオレまで一緒に行かなきゃなんねぇんだよ」



LBX騒動が起き、急遽A国に向かうことになった…檜山蓮とオレ

宇崎拓也から話を聞いた直後にまた社長専用旅客機で飛んで来たよ真夜中に、超眠い



オレいらなくね?と言ったら「戦力は多い方がいいだろ」と両断された



「つーかあのどチビ竜の煩い声聞かにゃいけないのかメンドクセェ」

「なんだかんだ言って気に入ってるじゃないか」

「ジョーダン」



顔を顰めて言った、その時





「青竜がミゼルの配下になっただとッ⁉︎」





宇崎拓也の声が通路まで響き渡った

それだけなら大して気にしない、だが、オレが反応したのはそこじゃな


青竜…どチビが…ミゼルの配下になった…?





「確か、変わる前に青竜はCPUの調子が悪いと言ってたな」

「はい、でもベクターに触られた事は…」

「じゃあどうやってミゼルの配下に?」




会話が聞こえる。内容はあのどチビの異変について…




その話を聞いてたら頭の中がグチャグチャになって…





「どう言う事だ…?」

「…ネロ?」





部屋に入り、そう言葉を告げた


オレが居たとは思わなかったらしい何人かが驚いた様子で見てるが、それに構わずソラ・ウォーゼンの元に歩み寄る



「どチビのCPUに異常が起きたのは何時?」

「…先程の騒動前から…」

「それを其処にいる博士達に見せたのか?」

「…いいえ」

「じゃあ、異変が起きる前に何か変わった事が無かったか?些細なことでいい、何か無かったか?」

「…………あ」



オレの言葉を聞き思い出したソラ・ウォーゼンは、見送りに行く前日に青竜が身震いした事を思い出したらしい。

その時すれ違った少年が何処と無く、ミゼルに似ていたとか…



それを聞き確信。

青竜はミゼルにウィルスか何かを入れられた。そして奴の配下になった。

なんであのどチビなのかは知らんが、そうとしか考えられん



「…どうして異変が起きた時に早急に見せなかった」

「それは…」

「ちょっとした異変でもそれが大事に繋がる、それを前提に考えて行動しろ。

ましてや彼奴は得体の知れない奴だ、どんな能力を持ってるかわからないなら尚更だ。

これくらいどうって事ないとでも思ったのか?気にするほどでも無いと思い込んでたんじゃないのか?」



ソラ・ウォーゼンの肩を掴んでやや興奮気味に言えば悔しげに俯き、それを見た山野バンが止めに入る



「やめろネロ!今はそんな事してる場合じゃ…」



プツンと何かが切れ、気が付いたら自分より少し背の高い山野バンを掴み壁に押し付け、首元を締め上げていた



「おいネロ!」

「『そんな事』とはよく言えたな山野バン!お前らからしたらあのどチビが敵になった事がくだらねけ事なのか?ああっ⁉︎」

「っ違…!」

「なんで異変を見つけたら直ぐに見せなかった!なんで同行させた!未知の相手なら尚更警戒しろ!些細なことでも重視しろ!なんで…っ」

「………っ!」




そこまで言い、言葉を詰まらせる。

顔を俯かせ、乱暴に放して部屋を飛び出す


一方山野バンは床に座り込んで首元をおさえ、その周りに仲間が集まる。



「バン!大丈夫か?」

「…ああ…」



青島カズヤに立たせてもらう中、ネロが飛び出したドアを古城アスカは睨む。



「なんだよ。パラダイスでちょっとは大人しくなったかと思ったのに…」

「彼奴がマコトさんの中にいるなんてヤダなぁ」

「……………」



一人黙り込む山野バンに、山野博士が気付き声をかける



「どうしたバン?」

「…ネロ、辛そうだった…」

「ネロ、さん…が?」



ヒロの言葉に頷き、ついさっき見たあの顔を思い浮かべる

言葉はキツくて、見えない人からすれば自分勝手だと思うだろう…

だが、バンだけは見えた


今にも泣きそうな顔で、自分を見上げていたのを…



















NICS屋上

冷たい風が吹く中、ネロは座り込み、その腕の中に顔を埋めている


その背中に手が置かれ、優しく撫でる



「…落ち着いたか?」

「…………………」



答えない代わりに左右に揺れる頭

それに苦笑すると、小さな声が響く



「…あのどチビ竜、オレを相棒だって言ったんだ…」

「ああ…」

「今まで会った連中はオレを化け物やビョーキ扱いしてたのに…彼奴だけ違ったんだ…」

「………」

「………初めて、信じられる馬鹿ともが出来たと思ったのに…」



震える声と身体、埋めて見えないその目から、ポタポタと幾つもの滴が落ちていく