竜を狩る者たち

1-4

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。

それを聞いた彼らは、驚いた表情で私を見ていた。

私のいるこの場所が酷く静かに感じられて、何だかこの場所だけ切り取られているのではないかと錯覚した。

そんな沈黙を破ったのか、茶色の癖っ毛の男の子だった。


「貴女はどうしてそれを知っているんですか?」


それは当然の疑問で、当然の質問だった。

私はまっすぐ彼を見つめて、答えた。


「それは、私がそのゲームをプレイしたことがあるからだよ。このシリーズは全部クリアした、だから知ってるんだよ」

「だからと言って、この世界がその“ゲームと同じ世界”とは限らないじゃないですか」

「いや、100%一緒とはいかないかもしれないけど、それでもほぼ同じだってことは分かるよ。だってここには“ハントマン”がいる。それにここ、一緒なんだよ。そのゲームの初めの拠点である国の城下町と」

「到底信じられませんね」

「分かるよ、私だって信じられないし信じたくない。だけどこれが事実で現実なんだよ」

「彼女が言っていることは、本当のことだよ」


不意に後ろから声が聞こえたので振り返ると、彼らの元へ私を連れて行った彼女が立っていた。

綺麗な緑の瞳が真っ直ぐ彼らを見つめる。


「どういうことですか?」

「彼女、トワが言っていることは全て本当のこと。信じられなくても、非現実的でも、それが事実。貴方たちはトワと同じ様に、選ばれた者。この星が呼んだ救世主」


彼女は私たちの前に立つと、真っ直ぐ私たちを見つめた。吸い込まれるような緑色の目が私たちの目を見る。


「嫌でも、貴方たちは戦わなければいけなくなる。もう少ししたら、竜がこの国を含めた世界を攻撃する」


静かで最低限の声量だったが、彼女の声はハッキリと私の耳に届いた。横に居る彼らに少し目を向けると、彼らの耳にも届いてたらしく困惑していた。


「今のままでは確実に全員死ぬ。だから、“ハントマン”になって戦いに慣れた方がいい。トワ、場所は分かってるよね?」

「あ、うん……」

「“ハントマン”?それは一体なんだ」

「“ハントマン”っていうのは、この世界で言う冒険者?みたいな感じかな……。クエストっていう皆のお願い事を聞いてあげるのが主な仕事だよ。でもやっぱ同じ町にずっと居続けても仕事がなくなったりするから、そういう時は別の町や国に行くんだよ。収入は主にそこ。後は戦って手に入った戦利品を売ったりとかかな。あくまでゲーム知識だけど……」

「トワの言う通り。ハントマンの主な仕事や収入はそこ。それと同時に、貴方たちはドラゴンを狩る者として活動するの。貴方たちにしか、この世界を救えないから」

「……別にね、無理してハントマンになったりとか、ドラゴンを狩る者になって世界を救わなきゃいけない、って訳じゃないんだよ。嫌なら別の道で生きることもできると思うしさ」

「駄目。トワと、彼らじゃないとこの星は救えない」

「駄目じゃない。だって、彼らはまだ中学生だよ?私も言えた立場じゃないけど、彼らはまだ未成年だ。そんな彼らを右も左も分からない世界に飛ばして、知らない星を救えだなんてそんなの横暴すぎる。だから、やりたくなければやらなくていい。全員じゃなくても、何とかなるかもしれないでしょ?」

「最悪1人でもいれば、何とかできるかもしれない。だけど全員でやった方が成功する確率は上がる」

「1人でもいれば確率は0じゃない、ならその1人を私がやる。だってこの世界を知ってるのは私だけっぽいし、なんたって最年長ですから。男の子であっても、年下に押し付けて逃げるだなんてことできないしさ。ねぇ、それでいいでしょ?」

「……分かった。なら、私も同行する。とある場所まで行かなければいけないから、そこまでだけど」

「分かった」

「ちょっと待てくれませんか」


ずっと黙っていた彼らの方から声が聞こえた。声を発したのは、眼鏡を掛けた男の子だった。


「えっと、さっきの話の通り君たちは無理に私と一緒に旅をしてこの世界を救う、だなんてことしなくていいことになったよ。残念ながら、生き抜く術をハントマンになってクエストをこなしていく、っていうゲーム知識位しかないから職紹介は出来ないけど、この国の王様はいい人だし、何とか――」

「俺も、一緒に行かせてください」


そう言った彼の目は真剣そのもので、覚悟を決めたのだということが分かった。