俺様会長と辛辣副会長

2-10

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お昼ご飯を食べ終わり、再び自室に戻って来た私は窓辺に腰かけて風を受けながら曲を聴いていた。

ふと網戸越しに自宅の小さな庭を見た。綺麗な芝が生えている中、庭の隅に立っている古いバスケットゴールが目に入った。


今や氷帝学園バスケ部の主将になった幼馴染の彼と一緒に遊んだそのゴールの存在は、私の古傷を抉るには十分すぎた。


まだ仲が良くて一緒に居た小学生の頃。その時からバスケが大好きだった彼と私は、彼の家にあるバスケットボールを使って遊びも同然の1on1をやっていた。

当時のゴールは家の近くにある公園の所に立っている公園の注意書きの看板だった。2人でボールを奪おうとしたり、相手のボールを追ったりして汗だくになるまで遊んでいた。


そんな私たちを見た私の父親が、今庭の隅にあるあの古ぼけたバスケットゴールを買ってくれたのだ。それ以降、私たちは毎日あのゴールを使って1on1をしていた。

歳を重ねる毎にどんどん体力の差などが出てきてしまったりしたので、小学校高学年になった頃には彼の練習している姿を眺めたりしていることが多くなった。


それでもとても楽しかった。バスケはその時になっても今も大好きだし、彼がバスケをしている姿はそれはそれは輝いていて、心の底から楽しんでいるんだなということが凄く伝わってきて見ているだけで楽しかった。


だけど、あの学園に入ってから私は虐めと言ってもいいかもしれない嫌がらせを受け、彼と離れてしまった。

今彼が私をどう思っているかは知らない。だけど、彼はバスケ部の主将として本当によく頑張っていて、彼自身も沢山努力をして強くなっていることは知っていた。


理由としては、たまにバスケ部が活動している体育館に生徒会の仕事などで行った事があるからである。

初めの頃は彼がバスケをしているところを見に行こうとしていたが、たまたまや仕事などのどうしてもの理由で体育館に行っただけで難癖をつけられて罵詈雑言を浴びせられたり、軽度ではあるが暴力を受けたりしていたので、数日でその気も失せた。


昔は彼が楽しそうにバスケをしている姿が大好きだった筈なのに、今となってはもう思い出せないものになってしまったし、多分見たらよく分からない罪悪感などで押し潰されそうになってその場から逃げてしまうだろう。


私は古びたバスケットゴールから目を逸らし、空を見つめた。

真っ青な空には、夏らしい真っ白な入道雲があった。


――思えば、あいつどうやってここに来るんだろう。


ふと少し前に見たあいつからの連絡の内容を思い出した。

あいつは“今日の放課後お前の家に直接資料などを届けに行く”と言っていた。つまりここに来るという事だ。


そもそも私はあいつに家の場所も住所も何1つ教えていない筈なのに、どうやって来るつもりなのだろうか。もしもあいつがよく分からない特権だか何だかを使って住所を知ったとして、車でなんて来られた日には、近所は大騒ぎだし学校中で噂とか話題になって大変なことになるのではないだろうか?


――あいつも馬鹿じゃないから、そんな馬鹿なことしないとは思うけど……。


それでもやはり少し不安になった私は、念のためにあいつに“分かってるとは思うけど、絶対に車では来ないでよね”とメッセージを送っておいた。


「……今日暑いし、一応冷たいものでも準備しておいてあげようかな……」