Trap Magic -番外編-

狼崎@名古屋ティアE-43
@rusknora_so

ウイスキーボンボン

時刻は夕方の4時

ソル、ニヴ、ラーズ、フォルティアの4人はそれぞれ各々の用事を済ませ

今日寝泊まりする宿へ集合していた。

既に部屋は取ってある為

まだクエストに向かっているウェルーア、ラインハルトの2人を待ちながらのんびり宿のロビーでお茶タイム。

こうして宿で寛げる場所があると、寝泊まりしない人でも気軽に休憩できるのは良いものだ。


今日のおやつはニヴが持ってきたチョコレート。

買い物の最中、話が弾んだおばさんからおすそ分けしてもらったらしい。


フォルティア「んんん~~フォルティアちゃんこのチョコ苦手―」

ニヴ「あぁ?好き嫌いしてんじゃねえぞ。…っま、このチョコはちーっと大人向けの味だよな」

ソル「美味しい…勝手に苦手意識持ってたけれど食べてみると案外いけるね!」

フォルティア「フォルティアちゃんもういらなーい!」

ラーズ「このチョコレートは人によって好みが分かれそうですわ」


そんな4人でお茶をしていると、ロビーの扉が開く音がする。

ソルはふと扉の方を見るとそこには見知った顔ウェルーアがいた。

先に帰ってきたのはウェルーアだった。


ソル「あ、ウェルーア!クエストお疲れ様ー!チョコ食べる?」

ニヴ「さっき気前のいい婆さんに貰ったんだ。美味えぞ」

ウェルーア「お、良いな。 1つ貰い……ん……?」

フォルティア「ウェルーア兄ぃどしたのー?」

ウェルーア「…いや、何もねえよ。部屋何処だー?とりあえず荷物置いて降りてくる」

ソル「305号室だよ~」

サンキュウ、と言いながら更にもうひとつチョコを頬張り寝室に向かっていった。



十分後

ラーズ「ウェルーア遅いですわね」

ニヴ「寝てんじゃねえのか?」

ラーズ「そうかもしれませんわね」

あれから10分近く経つがウェルーアが部屋から戻ってこない。

クエストから帰ってきて、すぐに寝るなんて言う事は日常茶飯事だ。

4人はさほど深刻には捕らえずもう1人の仲間、ラインハルトの帰りを待ちつつのんびりする。


それからしばらくするとラインハルトが手荷物と共に帰ってきた。

ソル「ハルトおかえりー!チョコ食べる?」

ハルト「いや、今はいい。それより土産をもらった。お前らで食ってろ。部屋に荷物を置いてくる」

ラインハルトの持ち帰ってきた手荷物を開くと中には沢山の飴が入っていた。

ソル「わぁーキャンディー!美味しそう」

ラーズ「ラインハルト様…今日もクールで素敵ですわ……そんなラインハルト様の愛の籠った飴を一ついただきますわ」

ニヴ「愛はこもってねえと思うぞ」

ラーズ「全く!!ヘタレは黙っていなさいな!!」

ニヴ「ヘタレって言うんじゃねえ!!」


皆が飴で更に盛り上がっていると 突然、寝室から走ってくる音が聞こえる。

音の聞こえる方をソル達が見ると険相な面構えをしたラインハルトがそこに居た。

ハルト「ウェルーアに酒を飲ませたのは誰だ!!!」

いつもなら滅多に声を荒げないラインハルトの声がロビーに響く。

ソル「お酒…?」

ニヴ「ウイスキーボンボンなら食ったけど」

ソル「そういえば2つ食べてたね」

ウイスキーボンボンというのはニヴが持ってきたチョコレートのことである。

ハルト「ッチ……原因はソレか」

ニヴ「何そんなカッカして………何してんだウェルーア」

大きなため息をつくラインハルトの腰を見ると

てっきり部屋に戻り寝たのかと思っていたウェルーアがしがみ付いていた。

ウェルーア「ハルトオオオオオクエスト俺も連れてってええええええええ置いてかないでえええええ」

ウェルーアはどういうわけかラインハルトにしがみついたまま離れようとしない。

あんなウェルーアは見たことが無い。

ソル「え?」

ハルト「離せ!!駄犬!!!!今日はもうクエストに行かん!!!!!!!!」

ラーズ「ちょっと!ウェルーア!ラインハルト様に抱きついて何してますの??!!」

ニヴ「うわー…何だアレ」

ウェルーア「クエスト行かない?行かない!!?俺今日クエスト頑張ったんだぜ!!褒めて褒めて!!!」

フォルティア「なんか……」

ソル「いつものウェルーアじゃないね…」

ハルト「見てないで手伝え!!!」


皆は何とか嫌がるウェルーアをラインハルトから引き剥がし

二人を椅子に座らせ話を聞く体制を整える。


ニヴ「で…なんだぁ?それ」

いつも猫背になったり背にもたれるようにだらけているウェルーアだが

今のウェルーアは背筋をしっかり伸ばし、なんだか心なしかいつもより生き生きしている。

ウェルーア「今日なー!クエストで魔物たっくさん倒してさー!報酬も沢山で凄かったんだぜ!!!」

ソル「う…うん、ウェルーアはいつもすごい…よね」

ウェルーア「だろだろ!!!」

いつもにも増しどや顔のウェルーア

その様子に4人は動揺を隠せないでいた。


ハルト「……先ほど、ウイスキーボンボンを食わせたと言ったな。それが原因だ」

ニヴ「は???」

ソル/ラーズ/フォルティア「え???」

ハルト「こいつは物凄く酒に弱くてな…酒を被っただけで酔う。隠し味程度の物なら大丈夫だが、ウイスキーボンボンの様な酒を中に入れている物に関しては駄目だ」

ラーズ「フォルティアも知らなかったんですの?」

フォルティア「フォルティアちゃんもこんなウェルーア兄ぃ見たことないー…」

ニヴ「なんだか…犬だな」

ラーズ「犬ですわね」

フォルティア「わんちゃん」

ハルト「それについては恐らく血の影響もあると思うが…とにかく気持ち悪い」

先程より険しい顔になるラインハルト。

ソル「えぇ……どうするの?」

ハルト「微量なアルコールだ。消化されれば恐らく元に戻る」

フォルティア「ウェルーア兄ぃウェルーア兄ぃ」

ウェルーア「ん??フォルティアどうしたー?兄ちゃんに相談か~?」

ニヴ「きもちわるっ」

ラーズ「人格変わってますわ…」

ニヴ「あんたみてえだな」

ラインハルト「…………ある意味では否定はせん」

頭を抱えながら大きなため息をつく。


フォルティア「お手!!!」

ウェルーア「……」

ソル「フォルティアちゃん…それは禁句じゃ―」

ウェルーア「お手ってどっちだ?」

ソル「いいの!????」

ラインハルト「…はぁ…頭が痛い……そいつの世話は任せた。部屋に戻る」

ラーズ「ラインハルト様大丈夫ですの?!私もついていきますわ~!」


フォルティア「ウェルーア兄ぃいい子だねー」

ウェルーア「ふふん」

どや顔のウェルーア

ソル「…………これくらい素直だと可愛げあるのだけど…」

ウェルーアの頭をなでる。

ウェルーア「あぁ~……それ、好き~~」

ニヴ「犬だなぁ……」



疲れたのかニヴの膝の上で寝ている。

ウェルーア「zzz」

ニヴ「何で俺が膝枕なんぞしなきゃいけねえんだよ…」

フォルティア「ニヴママ…私も膝枕…」

ニヴ「しねえからな!!!!」

ソル「あはは……でも……そうやってるとお母さんみたい…」

ニヴは無意識にウェルーアの頭を撫でていたことに気づき

ハッとした後手を引っ込める。

ニヴ「ッチ」

フォルティア「私ワンちゃん飼うならさっきのウェルーア兄ぃみたいに素直なワンちゃんがいいな」

ソル「こんな大きいのはちょっと簡便だけどね…」

ウェルーア「ん……うー……」

ニヴ「ん、起きたかわんこ」

ウェルーアは寝ぼけながら目をこすり上を見る

目が覚めると自分がニヴに膝枕をされているではないか。

ウェルーア「どういう状況」

ニヴ「テメエが飛び込んできたんだろ」


~回想~


ウェルーア「ニヴーーーーーーーおかあさーーーーーん!!」

ニヴ「わああ!!!!!誰が母さんだ!!!」

ニヴ゙に大型犬が飛びこむ様なシーンをご想像ください。


~回想終わり~


ウェルーア「…何言ってんだ、俺さっきまで寝てたんだけd……あれ、なんで寝てたんだ…クエスト報告したっけ…」

ニヴ「覚えてねえのかこの駄犬」

フォルティア「意外な一面が見れたねー」

ソル「だね!面白かったよ、ウェルーア」

ウェルーア「お前らが何言ってるか全然わかんねえんだけど……?」



*終わり


ウェルーアが酔っぱらっている話を描きたかった。

ウェルーアがお酒で酔っぱらうというのは実は初期から存在する設定なのですが(微量で酔うのも昔からある設定)

昔はセクハラ親父になりました。

流石にセクハラ親父(笑)は高熱を出したラインハルトだけで充分なので

わんこタイプにしましたが、結果的にコイツ頭大丈夫かなって思いながら話打ち込んでました。

恐らく尻尾ブンブン振って目をキラキラさせてると思います。

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