赤葦先輩と木葉カップル。

白雪林檎
@sw__apple

「木葉先輩、好きです。

付き合ってくださいっ」


「良いよ、よろしくね」


高校1年生の夏。

私はずっと好きだった先輩と付き合うことになった。


それから毎日一緒に帰ったり、恥ずかしかったけど頑張って手を繋いだり、キスをしたり...


本当に幸せな時間を過ごしていた。


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あれから3ヶ月が経って、段々先輩との距離が近くなっている気がしていた......のに


最近は近いどころか遠くなっている気がする。


「はぁ〜.........」


「どうしたんですか?もしかして俺と帰るのがそんなに嫌なんですか...?」


木葉先輩は「ごめん一緒に帰れない」と言って先に帰ってしまった。


しょうがないから1人で帰ろうと思っていたら、赤葦先輩が女の子1人じゃ危ないからと送ってくれることになった。


何でも、私の家と方向が同じらしい。


そして今日もまた一緒に帰っている所だ。


「あっ...いえ!違いますよ!!全然嫌じゃないです!むしろ嬉しい!!


ただ......木葉先輩が最近冷たい気がして...

あっ!!もしかして浮気!?私捨てられる!?」


「きっと大丈夫ですよ


......でも何故か木葉さんってモテますよね」


「えっ...嬉しいような...そーでもないような...」



そんな事を話していると、家に着いた。


「先輩、今日もわざわざ送っていただいてありがとうございます!!」


「全然良いよ、どうせ通り道ですから


じゃあまた明日」


「ありがとうございます!また明日!」



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次の日、朝練が終わってそろそろ教室に戻ろうかと思っていたら木葉先輩に呼ばれた。


「ねぇ、もう教室に戻る?」


「はい、そろそろ!」


「じゃあ一緒に行こうよ」


「はいっ!」


木葉先輩と一緒に歩くの何日ぶりだろう…


私は久しぶりにこの幸せな時間が戻ってきたと思って嬉しかった。


でも、そんな気分は一瞬で終わった。


「そう言えばさ、昨日赤葦と一緒に帰ってたよな?」


「はい......どうしたんですか?」



口調はいつもと一緒なのに何故か恐怖を覚えた




「どうしたって......分かんねぇの?


お前は俺と付き合ってんのに他の男と喋ってただろ?


彼女なんだから他の男と喋んなって事だよ


分かった?」



顔はいつもの様な笑顔なのに、目だけは笑っていない。


いつもの先輩とは違う......



怖い......



「はい......」



それから私は、ほとんど誰とも話さないように過ごした。



こんな毎日が1週間ほど続いた。


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ある日の昼休み。


私は本を読もうと図書室へ向かった。

ここならいつも誰もいないから好都合だと思った。


「何の本読もうかな......ん?誰かいる?」


中から珍しく人の声がする。


いつもならしょうがなく教室に戻る所だけど、

私はここから動けなかった。


何故なら_____




「ねぇ...秋紀、キスして...?」


「ん......」


「大好きだよ」


「俺も大好きだよ」



そう、中にいたのは紛れも無く木葉先輩だったから。



「いいの?浮気なんかして」


「良いんだよ、だってアイツ全然ヤらせてくんねぇし」


「え〜?私は体だけって事なの〜?」


「そんな事ねぇよ、お前が1番可愛いからに決まってんだろ?」



何それ......意味わかんない


私は所詮体だけ…?


言ってくれた言葉は全部嘘だったの...?



私はいつの間にか走り出していた。



──────────


────────


「......っ......グスッ...」



信じたくない。


だけどあの人は紛れも無く木葉先輩だった。



「どうしたんですか?」



「あ...かーし...先輩...っ」



先輩は泣いている私を抱き締めて言った。



「もしかして、木葉さんの事ですか?」


私は小さく頷いた。


どうしてこの人は分かってくれたのだろう…


そんな事よりも今は悲しみでいっぱいだった。



「先輩......私、もう嫌だ...っ...木葉先輩...やっぱり浮気してた...っ...

しかも...っ体目当てだった......全部...嘘だったんだ...」



私が泣きながら言っている間、赤葦先輩は何も言わずに聞いてくれていた。



「木葉さんは何処か知ってますか?」


「えっと......としょしつ...です...っ」


「行くよ」


「ふぇっ...?」


次の瞬間、私の体がふわっと浮いた。

先輩は私をお姫様抱っこして連れていく気だ。


「いっ嫌です!会いたくないっ...離してくださいっ!」


「......」


「無視ですか!?」


「やっといつもの様に戻ったね」


そう言って私をおろした。


「じゃあ、木葉さんの所にちゃんと気持ちを伝えに行きましょう」


「......でも」


会うのが怖い......


「大丈夫ですよ、俺もいますから」


赤葦先輩は、私の手を握った。


「......先輩、何で私なんかを助けてくれるんですか...?」


「......秘密」


ドキッ


何故か胸がときめいた気がしたが、きっと気の所為だと思って私達はそのまま図書室へ向かった。


──────────


────────


「あれっ?木葉さん......と誰ですか?」


「あっ...赤葦!?いや、こいつはただの友達だけど?」


「......じゃあ何でその女の人は脱いでるんですか?」


「......それはっ!」


赤葦先輩の後ろからこっそり中を覗くと

シャツが全開の木葉先輩と上半身下着姿の女の人がいた。


「......っ!おい!何でオマエもいるんだよ!」


木葉先輩と目が合ってしまった。


「こいつはただの友達で...!俺はオマエが...!」


「木葉先輩......嘘は付かないでください...

私、さっき見ちゃったんです...そこの女の人とキスしてたの......私のこと好きって言ったの嘘だったんですね…私なんか所詮体だけなんでしょ...!?もう...嫌い...っ...大っ嫌い......」



私は、涙をこらえて必死に想いを伝えた。



「さよなら、木葉先輩。」



そう言って、図書室を後にした。



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「赤葦先輩、ありがとうございました…!」


「俺は何も出来てないよ」


「あの場にいてくれるだけで心強かったです!」


「そっか...良かった」


そう言えば...あの時どうして木葉先輩の事で泣いてると思ったのだろうか...?


私はふと疑問に思って聴いてみた。



「先輩、何であの時木葉先輩の事だって分かったんですか…?」



返ってきたのは意外な言葉だった。



「それはね...俺は、ずっと君が好きだったから彼氏がいるしだめだと思っても無意識に目で追ってしまってたんです...」


「えっ......?」


「今言うのは不謹慎かもしれないけど…

俺、絶対に君を幸せにしてみせます

だから......俺と付き合ってください。」


ドキッ


あの時感じた胸の高まりは気の所為なんかじゃなかった。


さっきまで我慢していた涙が一気に溢れ出た。


そして私はこう言った_____



「はい......っ...よろしく...お願いしますっ...」



end