ギフト

アッカ
@zuboranaAKKA

お笑いの後にはたまに不思議な事が起きる

どうにも腹の虫が収まらなかったので、進藤達が自宅に帰る前に掴まえようとレセプション会場を出た。

いた、進藤はホテルのフロント前のスペースで和谷や伊角と話込んでいる。進藤の息子は伊角に抱き抱えられていた、どうやら疲れて眠ってしまったようだ。

可愛い寝顔を見たら身体から力が抜け心のモヤモヤが消えてしまった、代わりに愛しさに胸が支配された。

伊角に近付きそっと寝顔を眺めた。

「永夏」

「オレに抱かせてくれないか」

「ああ」

心得たと笑顔で応えた伊角から柔らかく抱き受けた。温かい重み、なんて愛おしい重みなのだろうか。起こさないように抱え直し、ガラス窓に近付いて月を眺めた。

いい月夜だ、明日は晴れ‥‥

「よくも私のヒカルを何度も泣かせてくれましたね」

‥‥え?

ぐるうりと身体を回転させて周囲を確認した。近くには誰もいない。進藤達はフロント付近から移動していない。天を仰ぎ、次いで頭を戻し腕の中のぬくもりを見た。進藤の息子の瞼が開いていてオレを見ている。クリクリとしていた可愛い目が半眼になり目尻がつり上がっているぞ。

「10年は待たせませんよ、何れあなたの心胆を懲らしめてさしあげましょう!」

このっ、気は‥‥!

幼児にはあり得ない徒ならぬ気の迸りに驚き固まっていると、進藤の息子はオレの腕の中から飛び降りた。

「おとうさあん!おしっこおー!」

「我慢出来るか!」

「だめえ!」

進藤親子は手を繋いで勢いよく駆け出していった。今のはいったい何だ?あの子が言葉を発していたんだよな。


「ちったあ、眠れたかあ?」

「ちったあ、眠れたあ!」



おしまい

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