御伽草子

🐙海棠緋寄⚔️
@Enph_hiyo12

仮定

もし、紫織が、幼馴染が死んだ時点でポートマフィアに加入したら。



※少し下世話です。(R15ぐらいです)

※両想い前提の片思い。

※pixiv本編の設定とは多少設定が異なります。

※幼馴染が事故死のが14歳から12歳に改変。



12歳→幼馴染が事故死し、家出を実行。放浪している所を森によって保護される。其れからは太宰、中原と同じようにマフィアで生活を始める。此の当時、16歳の清原と二人で暗殺の仕事を持つようになる。


16歳以降→双黒と呼ばれ、次期幹部と噂される、太宰への恋心を核心へと変えるが立場的に想いを伝える事は出来ないと勝手に思い始める。


18歳→森から色仕事の命令が下る。そして太宰に指導して貰うようにと云われるが、彼は他にも複数の女性に手解きしている事を知っていたので渋るが最終的には関係を持ってしまい、太宰がマフィアを抜けた事をきっかけに彼への愛が憎悪に変わってしまう。






「式部君。君に色仕事を頼みたい」


首領ボスの声がいつもより聞こえ難かった。そして等々来たのか、と動揺と冷静さが混じってもう意味が判らない。

 色仕事は字のごとく、異性の対象にハニートラップを掛け情報を引き出したり、暗殺することを指す。年齢的に先輩な女性構成員たちがやっているので知っているが、正直仕事でも見ず知らずの男と寝るのは不潔で厭だ。何より私には好きな人がいる。


「手解きは太宰君にしてもらうと善い、話を付けておくよ」

「…お待ちください、首領。今なんと?」


太宰は正しく私の好きな相手。六年前、初めて逢った時から気になっては居たが本当に気になり始めたのはつい二年前。

 私はこんな形で彼と関係など持ちたくはないし、手解きとして関係を持つなら彼が私を気に掛けてくれることは一生なくなる。何より彼は、首領の云うような手解きを何度も行っていることを私は知っていた。他の女性と同じだなんて絶対に厭だ。


「太宰君なら経験豊富だし、善い経験になるだろうと思ってね」


首領は全てを看破しているように微笑みを私に向けた。彼は全て見抜いている。そう思った。


「……判りました。…ですが一つ云っておきます。余計なお世話ですよ」


八つ当たりのように扉を乱暴に開閉した。



「太宰君からの希望なんだけどね…」






その日の夜。式部は太宰の部屋に入った。執務室の机の前に座って暇を潰している太宰は彼女が入って来ると、優しく微笑んで彼女を自分の方に誘導した。


「おいで、紫織ちゃん」


彼は今までと何も変わらず式部に笑みを浮かべて彼女を引き寄せるが彼女は顔を顰めた。彼の臭いが何時もと少し違うからだ。


「不快……気持ち悪い…最悪です」


どうしたの、と太宰は首を傾げて誤魔化すが式部には判った。彼は既に誰がを抱いた後だ。

 特に会話の無いまま太宰は式部の襯衣に手を掛け、少しずつ脱がして前座を行うが、此れから本番という時に彼女が渋る。机の上に彼女を座らせて太宰が目の前に立ち、其の状態から繋がろうとする寸前だった。


「…やめて、ください」

「止めたら命令違反になるよ?」

「だからですよ」


今までは何処か事務的に仕事を熟している風な無表情を貫いていた太宰だったが、此処で初めて表情を変えた。何故か悲しそうな顔をするのだ。


「厭なんですよ…幾ら仕事の為だからって、こうやって何にも想っていない相手の為に感じてやるのは。気持ち悪いんですよ……何人も女を抱いてきた貴方に抱かれるのが…………太宰さんだって好きでもない私を抱くのは厭でしょう?」


殆ど自虐だった。本当は今まで彼とこうなる事を望んでいた。けれど其れはあくまで恋人としての気持ちがあるもので、このようなお互いに何も思っていない行為は厭だった。

 今まで、感じたいと思っていた彼の肌も体温も全てが今は何もかも厭で、なのにもう後戻りが出来ない状態で今更悲しくて涙が出て来る自分の事も厭に感じていた。

 彼女の言葉を聞いて、更に悲しそうな表情を浮かべたあと、太宰は彼女の唇に接吻をした。行為では初めて、いや、式部の初めての接吻だった。とても優しく、触れているだけの接吻だったが彼女にはどんなに甘い菓子よりも甘く濃厚に思えた。


「…紫織にとっては初めてだろうけど、実は私にとっても初めての接吻だよ」

「嘘です…」

「本当だよ。誰かに口でしたのだって始めてさ。……少なくとも君は、私にとって只の練習相手じゃない。其れだけは覚えておいてほしい」


太宰は彼女を強く抱きしめながら彼女の中にゆっくりと侵入していった。

 其れから最後まで式部はずっと泣いた侭だった。悲しさと悔しさで溢れる涙を拭いながら式部は彼の部屋を飛び出した。

 数日後、太宰はマフィアから逃走した。




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