【文スト】うちの子でハウルパロ

🐙海棠緋寄⚔️
@Enph_hiyo12

二幕、サリマンに会う

荒地の魔女が本来の歳に戻された所から。(パロなので尾崎さんが、魔力を奪われただけ)



「今王国は、紅葉君のような魔法使いや魔女を野放しには出来ない。太宰君が此処に来て王国の為に尽くすなら悪魔と手を切る方法を教えよう。…来なければ力を奪うよ、彼女のように」


有無を云わせないように厳しい口調で云う森に式部は立ち上がり、反論した。


「お言葉ですが、此処は変です。…招いて置きながら年寄りに階段を上らせたり、変な部屋に連れ込んだり、まるで罠です。……太宰さんに心がない?確かに我儘で臆病で何を考えているか判りません。けどあの人は真っすぐで、自由に生きたいだけなんです。悪魔との事はきっと自分で何とかします。私はそう信じます!」


話していくうちに式部に掛かっている老人化の呪いが解けて若返っていくが「お母さま、太宰君に恋しているね」という発言ですぐに其れも元に戻っていく。

 今度は尾崎が式部に縋るようにして、


「だ、太宰が来るのかい……欲しい…奴の心臓が…」

「落ち着いてください、太宰さんは来ません」

「いや、彼はくるよ」


「彼の弱点が見つかった」二人の会話に食い入るように森がいうと、硝子張りで見える庭に、小さな航空艇が降りて来た。

 軍服を着た男性で、優雅に歩いて部屋に入って来ると式部に話しかけてきた。


「すまないが、私は魔法で戦争に勝とうなんて思わないんだ。確かに此処には森さんの魔法で敵の爆弾は当たらない。しかし周りの街に落ちる。魔法とはそういうものだ」

「今日の陛下は良弁だねえ」


森が全てを見透かすように笑いその陛下と呼ばれた男性を見る。相手は表情を変えず涼しい顔をしている。

 すると部屋の入口から、全く同じ格好、同じ顔の男性が、この人のは全く違う豪快な動きで一枚の紙をもってやってきた。


「森!次こそ決戦だぞ!今度こそ叩きのめしてやる!」


すると其の男性も自分と全く同じ人を見たが特に驚くことも無く「今度の影武者は良く出来ているな!」と云うとすぐに部屋を出て行ってしまった。

 少しの前のあと森が口を開く「太宰君、判っていたよ」と。


「森さん、誓いは守りました。……貴方と戦いたくありません、母を連れて行きます」


彼女の方を掴むとすぐにこの場から逃げようとするが、不敵に笑みを浮かべた森が魔法を発動して、太宰と式部、そして彼女にしがみ付いていた尾崎は、まるで真夜中の空の中のような所にいるような錯覚を起こす。


「お母さまに君の本当の姿を見せてあげよう」


三人の周りに魔法陣のような、人型の何かが現れ回り始める。そうすると太宰の姿が見る見る変化していき、黒い鳥のような姿になっていく、式部の肩を掴む指も、足も、身体全てが。


「ッ!太宰さん!罠ですよ!!」


式部は一点を見つめている太宰の目を塞ぎそう叫んだ。空の向こうの映像が変わって森が此方に向かってメスを投げる姿が見えた。

 もう駄目だと思った瞬間に身体が浮き、飛び上がった。屋根の硝子を突き破り、太宰が乗ってきた航空艇に直接乗り、逃げるため船を動かす、飛び立つ寸前に外の階段で出会った猫が乗ってきた。


「あーあ、紫織ちゃんが皆連れて来ちゃったね」


太宰に云われて後ろを見ると確かに、尾崎と彼女に抱かれた猫がいる。


「はあ…」


式部も厭そうに溜息を付くがもう下せないため諦める。


「紫織ちゃん舵をとって」

「出来ませんよ!」

「大丈夫、道は指輪が教えて呉れる。中也を心の中で呼ぶんだ」


指輪は今日出かける時に太宰がお守りとしてくれたものだ。彼に云われたとおり、心の中で呼ぶと指輪の丸い赤い石が光り、同じく赤い光が灯る。その光はある一点の方向を指している。


「…もう!太宰さんが来るなら私が行く必要なかったと思います!」


還れる事に安堵したのか彼女は文句を云う、太宰は少し困ったように、


「紫織ちゃんが居ると思えるから私は行けたんだ、あんな怖い人の所に君一人行かせられるもんか………有難う。さっきは本当に危なかったんだ」


内心を悟らせないように微笑むと、式部たちの乗っている船に魔法をかけて見えないようにすると太宰は別行動を始めた。







森が残った所では、彼女が置いていった帽子が残っていた。森が其れを受け取ると、不敵に楽しそうに笑った。


「其れにしても、随分若いお母さまだったねぇ」


彼は自分の脳内に焼き付いた、若返っていた式部の姿を思い浮かべながら呟いた。




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