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優衣(柚葉)@実況アカウント
@yui_052057

第1章 プロローグ「目覚めた『私』」


ピッピッと心地の良い音が聞こえる。

これって、目覚ましかな。もう、朝なのかな。

そう思いながら『私』は薄っすらと目を開けた。そこは綺麗なガラスの世界だった。でも、よく見ると照明が明るく私を照らしている。周りは白い天井、白い部屋。

すると、突然バタバタと音がした。




『これは、医師せんせいに報告だわ……!! 医師、医師っ!!』




女性の甲高い声が部屋中に響き渡る。

もしかして、お母さんなのかな? お母さん、来てくれたんだ。




「ゆずねぇ!!」

「ゆずちゃん!!」

「ゆずっ!!」




ガラリと音がする。声がするほうに振り向く。そこには『見たことない』5人がいた。

大人のお兄さん、私と同じくらいの女の子と男の子、そして顔がよく似ている男の子2人。




「よかった……よかったぁあ」




5人は、見知らずの私のことを「ゆず」と呼び泣いている。そういえば、私の名前って……なんだったっけ……。

暫くして奥から白衣の男の人が来た。そして私に近づき、ガラスケースを外す。どうやら私はガラスケースに入れられて眠っていたようだ。男の人は私の手を優しく握り、ゆっくりと起こしてくれた。




「龍宮柚葉さん、体の具合はどうですか?」




男の人が、笑いながらそう言った。

私は、小首をかしげ口を動かした。




「あの……『たつみやゆずは』って……私のこと、ですか?」




するとその場にいた人物、すべてが固まった。まるで、時が止まったかのように。

私は、さらに困惑し周りの人に問いかけた。




「あなたたちは、誰、なんですか? 私は、どこに、いるんですか?」




すると、顔がよく似た二人の男の子の一人が、私に問いかける。




「ゆずねぇ……俺たちのこと、覚えてないの?」




その声は震えていた。私は、素直に頷く。

目覚めた『私』の前に現れたのは、見知らぬ顔の人たちだった。

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