飼い猫に異世界転移させられて骸骨になった話。

[どくろん]~<[ジャパリパークの骸骨]
@DOKURON021524

#2 共存共栄


◆◆◆




 あれから数日。

オークもしっかり手伝ってくれたおかげで、大分村らしくなった。

オーク達の元々住んでた村のオーク達もこちらに合流してくれたことで、人とオークが共存する奇妙な村となった。


食糧危機も家畜の糞を肥料とする事で格段に農作物の育ちが良くなったことで解決。

俺の提案した村設計は一通り終わり、今はそれを祝って宴を開いている。


俺は自分の力を把握する為に、アクシィと共に自らの解析を行った。

俺が進化した時、ポケットに入れていたスマホが消えたのだが、OSとデータが俺の魂に『インストール』され、アクシィに進化を遂げたのだ。


それだけじゃない。

俺の視界は常にHMDのような表示や、ナイトビジョンやサーモグラフィー、赤外線などの機能も持っている。

スマホでできることも当然できるし、カメラ機能なんかは瞳の解像度と同等な為、一眼レフよりも高解像度だ。

まぁ、別に一眼レフより高解像度である必要がないから微妙なところだな。


んで、初日に使ったステータス確認機能。

だが、自分より実力が少し上程度までのものしか分からないようだ。

因みに俺は状態異常無効、無属性、属性貫通効果、思考加速、完全記憶、精神異常無効、物質取込とそれによる自己再生……らしい。


鎌は想像召喚、存在抹消、能力・体質強奪。

当たれば強い……という所か。

トレーニングでもしなければこの先、生きていけないだろうな。

誰か適当な人でも見つけて稽古でもつけてもらおうか……。

ざっとこんな所かな。

他にもいろいろあるみたいだけど。

にしても割と強くね?

まぁ、強いことはいい事だ。

俺はそんなことを思いながら宴に並べられた食事を食べる。

骸骨になっても感覚は残ってたようだが、食べてるものがどこに消えてるのかは謎だ。

下に落ちてるわけでもない。

酔いが回ったのか、バステトがシストラムらしきものを持って踊り始めた。

どんちゃん騒ぎを眺めていると、ヘレナが絡んでくる。

相当酔っているのか俺にもたれかかって酒臭い息を吐いている。


「くっさっ!お前どんだけ飲んだんだよ」


「うひゃひゃひゃひゃひゃ……悠ものんれる~?」


進化しても絡み酒は相変わらずか。

まぁ、絡むのは俺だけだからいいものの、なんでこんなに俺だけなのかね……。

……いや、まさかそんな訳ないよね。

と思いつつ、ヘレナの頭を宥めるように頭を叩く。


「ああっ! 主! 我のことも同じようにするのじゃ!!」


バステトが頭ポンポンを要求してきた。

変な目で見られるからやめて下さい。


「いやはや……バステト様に寵愛されるとは、羨ましい限りですな、英雄殿」


「あは、あはははは……」


バステトは俺の膝を枕にしてゴロゴロしてるし、奈々子──ヘレナは俺の方にもたれかかったまま酒飲んでるし……


「して、英雄殿……あいや、レオハルト様……」


村長が改まって真剣な顔付きになった……なんだろう。

俺は村長に目を合わせると村長は恐る恐る口を開いた。


「レオハルト様、 この村の村長をやって頂けませんでしょうか……この度のご活躍、 今までの私たちではできませんでした」


えっ、そんな大役俺には……。

思い返してみるが、俺にはそんなに人の上に立つということをしたことが無い。

むしろ人の元にいて指示をもらって動いた方が、性にあってると思っていた。

向上心がない訳じゃない。

ただ単に人を指揮するのが好きではないというだけだ。

今まで俺がこの村に対してやっていたことは知ってて普通だと思っていたし、むしろ知らない方がおかしいとさえ思っていた。

まぁ、よく考えてみれば俺が住んでいた世界はこちらからすればもしかしたら超文明かもしれない。


あ、そう言えば俺の魂にインストールされたアクシィさんは電波を飛ばして元の世界と通信出来るんだろうか。

出来たらものすごいが。


《可能ですが、力を消費しますので、頻繁にはできません》


成程、凄いな。

だって世界超えて通信してるんだもんな。

と、分からなかったら調べれば良いという事だ。


「ほう! 主が村長になればこの村ももっと栄えるだろうな!」


バステトさん、ちょっと俺の立場考えてくださいよ……

なにかに縛られる立場になってしまったら帰れなくなってしまうじゃないか。


「いえ、せっかくのお言葉ですが、それは降りさせてください。 俺にも帰らなければならない場所がありますので……」


俺がそう言うと村長は納得してくれたようだ。

だが、バステトの力が戻って帰れるようになるまではここに世話になるつもりだ。


「レオハルト様、聞くのも失礼かもしれませぬが、村にはいつまでご滞在成されるのですか?」


「バステト、あとどれ位で戻りそうなんだ?」


「ふむ、そうじゃな……このペースだと三ヶ月程じゃな」


うっわ長げぇ!

回復量が低いのかキャパシティが馬鹿でかいのか……

まぁ、どちらでもいいけど……


「だそうです……そのぐらいになってしまうかも知れませんが、大丈夫でしょうか?」


「いえ!お気になさらず! 寧ろ歓迎でございます!」


あぁ、取り敢えず良かった。

働かざるモノ食うべからずって言うし、居るからにはそれなりの活躍はしないとな……。



◆◆◆



翌日、外が騒がしさで目を覚ました。

ヘレナとバステトは隣で寝ている。


「おい、二人共起きてくれ。 外が騒がしいんだ」


二人は眠そうに目をこすっては欠伸をした。


「おはよう二人共、ちょっと騒がしいから外に──」


「眠いからパス」


あ、はい。

ヘレナはそう言うと布団の中に再び潜り込んですぐに眠りについた。

バステトは身支度をしてから向かうらしいので先に向かっておこう。


何かと思って外に出てみると、広場に人が集まっていた。


「どうかなさいましたか?」


俺は広場の村人達に何が起きたのかを聞いてみた。

皆深刻な顔をしていた。


「レオハルト様! 聞いてください……この村の狩人がこの村付近で武装した状態のゴブリンが野営を行っていたのです……」


とすると……。

ゴブリンの狙いはこの村か……?

ただ単に近くで野営をしてただけかもしれないし。

警戒はさせておこう。


「厳重警戒を取りましょう。 村の門は全て閉めて櫓にアーチャーを配置、 地下のシェルターに女性と子供、老人を避難。その他は戦闘準備を行って下さい」


俺の支持に村人とオーク達は勇ましい返事とともに準備に取り掛かった。

俺は鎌を持ち出し、櫓から村周辺を眺める。

ただ眺めただけでは見えないな……。


「アクシィ、スキャンモードに切り替えろ」


《了解。 一番最適なサーモグラフィにてスキャンを行います》


すると、視界が赤や黄色、青で表示された状態に切り替わる。



「ゴロゴロいるな……やはり、この村が狙いか……」


《解析した所、人数は五十付近。 武装はこちらと余り変わりませんが、数が不足しております》


五十……こちらは二十少しだ……。


「レオハルト様……何かわかりましたか?」


同じ櫓にいたオークの弓兵が尋ねてきたので俺は答えた。


「探知したところ、ゴブリンが五十付近だ。 こちらでは分が悪いな……」


さて、どうしたものか……。


《こちらに貴方の体を操作させてくだされば、一方的な蹂躙が可能ですが、どう致しますか?》


えっ!?

そんなこと出来るのっ!?

俺ってそんなに強かったのか……?


《肉体が有れば疲労や筋力不足で無理でしたが、今はその心配はありません》


成程、出来ればオークのように鹵獲して配下に置きたいけど……

それは可能なのか?


《問題ないかと》


成程、では任せる。


《了解。 システム、オートモード起動》


アクシィの声と共に、体の感覚が無くなった。

視界やら聴覚などはある。


俺は櫓から飛び降りると、ゴブリンが矢を放ってきた。

ビックリしたが、片手を突き出し、何かの魔法を放った。


─────攻撃カウンター魔法『ウタックアタンカー』


放たれた矢が急速反転し、ゴブリンの元へ帰った。

いくつかは外れたが、ゴブリンの何体かが戦闘不能になる。

俺って魔法使えたんだな……

次に飛びかかってきたのは剣士ゴブリン。

再び手をかざすと別の魔法を放つ。


─────失神魔法『ウェーコンカブッション』


カァッ!という音が鳴ると、放った方向にいたゴブリンがバタバタと倒れた。

えっ?殺したの?


《対象を脳震盪に陥らせる波を受けて失神しただけですので御安心を》


ほっ、良かった。

と、この調子でゴブリン達を蹂躙した。

アクシィさん万能過ぎやしませんかね?


《全目標の無力化を確認。 システム、通常モードに移行》


アクシィのオートモードを解除し、全ての感覚が俺に戻る。




◆◆◆





「「誠に申し訳ございませんでした!」」


今俺はゴブリン達を無力化させ、平伏させている。

もちろんゴブリン達は俺の支配下に置くつもりだ。

村人には何の被害も出てないし、頭が悪いゴブリンのおかげで、正面から突っ込んでくるだけで助かった。

ゴブリン達に他にゴブリンが居ないか聞いてみたところ、各所にゴブリンの集落があるそうな。

しばらく住まいはテントで我慢してもらうしかないが、既に100人近い人口になったこの村であれば、もう少し発展できるだろう。

蓄えも余裕があるし、少しずつ受け入れれば問題無く人口が増やせそうだ。


「こっちには被害ないし、そこは気にすんな。 ただし、ゴブリン族は俺たちの配下に下れ」


そういうとゴブリンの一人が村を一瞥すると俺に訪ねてきた。


「………レオハルト殿といったか? 貴方はなぜ私達━━いや、亜人族を人間と共に住まわせるのですか?」


「意思疎通が図れるからってだけだし細かいことは考えてないぞ?」


オーク達は腕力が人間よりあるし、ゴブリンは素早いから偵察向けだろう。

俺にとっちゃ種族なんてただの区別だしどうでもいい。

共存共栄できるなら喜んでする所だ。

まぁ、好奇心というのもあるけどね。


「な……なんと……」


何か不味かったかな?

嫌な顔はしてないから大丈夫なの…か……?


それから、ゴブリン達は様々なことを話してくれた。

ここらの文化レベル、そして森林に生息している種族。

人間とエルフ以外の文化レベルとしては縄文人のより少し上程度。

全く高いとは言えない。

種族は『豚耳のオーク』、『小鬼のゴブリン』、『清麗のエルフ』、『大鬼のオーガ』、『堅鱗のリザードマン』、『黒羽の天狗』、『牛角のミノタウロス』、『馬脚のケンタウロス』、そして俺たち『叡智の人間』だ。


基本的に俺たちのような二足歩行の少なからず文化のある知的生命体は『人類』と称されるらしい。

人間以外は『亜人』と呼ばれる。

人類以外には普通にモンスターやらドラゴンなんている様だ。

ドラゴンなんて創作でしか知らないが、ぜひ仲間にしてみたいものだな。


しかし何とまぁ、ここも大人数になって来た。

こんなに集まってはどこかしらに目をつけられてもおかしくはない。

防衛力の増強をしないとな……。




◆◆◆




翌日、俺は塀の強化と掘を掘って防御力を上げた。

塀の強化に灰色の煉瓦を使った為、少し要塞っぽくなってしまったな……。

俺は村長にもし何かあった時のための俺に連絡の行く端末を渡した。

ハイテク機械に村長はビビっていたが、すぐに使い方もなれてくれたので、俺は安心して準備に取り掛かる。


んで、俺は何をするのかと言うと、元々俺達は物見遊山の旅に出かけているから、ただ単にバステトの力が戻るまで出掛けようというものだ。


何日か置きに帰ってくるつもりだし、村のみんなも心配せずに済むだろう。


村人から馬を借りて食料なども買い揃えた。

馬に乗れた試しはなかったが、アクシィさんからアドバイスを貰ったお陰で馬に乗れた。

馬が乗る人を嫌がって振り落とす、と言うのがあるらしいが、そういうのもなくて助かった。


《ゴブリンとの戦闘でテイマーアビリティを獲得しています。 なので、言葉を話せない動物との意思疎通が可能となります》


うーん……サラッと能力獲得しちゃってたのか。

次は獲得した時に言ってねアクシィさん。


馬車に荷物を積んで出発の準備を整え終わった頃、大荷物を抱えた計四人のゴブリンとオーク達が着いていきたいなどと言い出した。

正直トラブルに巻き込まれそうだからやめて欲しかったが、ヤマト帝国は他の国にはない特徴の一つとして、亜人族や、意思疎通可能なモンスターが出入りしていることである。


あぁ、だからこの村の人達は亜人族をつっけんどんにしなかったのか。

あまりにも人間関係の構築が早いから何でなんだろうと不安になっていたが、これで解決した。


馬車を運転するゴブリンと俺たち三人を馬車に乗せ、オーク、ゴブリンは騎乗で馬車を囲って守る様にさせた。

準備が整ったので、村の人達に挨拶をして村を出た。

心地良い馬の足音を聞きながら草原を駆ける。

ヤマト帝国に続いているであろう街道を進みながら、周囲を警戒する。


俺の電子的センサーに感知はない。

しばらくは安全か。

携帯食料を頬張りながら、アクシィを使って自分のステータスを調べていた。

またなにか増えてるなぁ……。

なんだよGPS機能って。

ここには衛星なんてないだろうが。

まぁ、起動してみるか。


《了解。システム、GPSモード起動》


アクシィの音声と共に俺の視界内に青い惑星が映し出された。

……これって……地球っ!?

地形がほぼそれだ……。

しかも俺は日本にいる。

異世界ってそんなに似るものなのか?

ああいや、創作のものと比べるのはおかしいな。

にしてもなんでオークやらゴブリンは創作の通りなんだろうな。


まぁ、細かいことを気にしても仕方ないか。

大体二日でヤマト帝国に着くみたいだが、どうだ?


《このペースで寝泊まり込みであればその通りです》


成程。

俄然アクシィさんは優秀である。

そういや唐突だけどアクシィさんは感情はあるのかな?

AIだから無さそうだけど……。


《仰る通り、私はAIなので感情は有してません》


ああ、やっぱりか。

奈々子──じゃなくてヘレナにお前の事とGPSの事、話しても平気か?


《問題ないかと思いますが、念のために、バステトとヘレナだけにしておいて下さい》


確かに、変に話したら手の内を明かす様で良くなさそうだ。

周りに誰もいないのを確認すると、隣と前に座っていた、ヘレナとバステトに話し掛ける。


「二人共、話があるんだが……」


「何? どうかしたの?」


「うむ、言ってみるが良い」


「実は、バステトが名付けで力をくれた時、アクシィっていうAIが目覚めて色々調べたんだが、どうやらこの世界、地球だったんだ。 地形が元の世界とほとんど一緒で、今いる所は日本の神奈川あたりなんだ」


「えっ!?そうなの!? レオもAIがいるの?」


ん? まさかヘレナにも居るのか?

てことはスマホを持ってたってことか……?


「ヘレナ、スマホはもしかして……」


「うん、ヘレナの魂にインストールされたって「アイラ」が言ってたよ」


そっちのAIはアイラと言うのか。

と言うことはヘレナもほぼ俺と同じことが可能、と。


「ふむ、二人にはそんなハイテクなものがあるのじゃなぁ……っと!?」


突然、馬車が急停止した。

剣を抜く音が聞こえたため、馬車から降りて状況を確かめる。


……マズイ、ドラゴンだ。

バスぐらいの大きさで緑色。

翼は生えていない。

レッサードラゴンか?


《その通りです》


あ、合ってるんだ。

テキトーだったんだけど。

今の俺で倒せるか?


《可能です。鎌の消去能力を使えば一撃ですが、それを使わなくとも的は大きい上に鈍足なので問題なく戦えると思われます》


成程、良い事を聞いた。


「お前達、下がれ。 ここは俺がやろう」


ゴブリンとオークを下がらせ、俺は鎌を構える。

するとドラゴンは頭を上に向けると、のどを膨らませた。

炎を吹く気だ。

俺は馬車を守るべく魔法を唱える。


─────攻撃カウンター魔法『ウタックアタンカー』


一応跳ね返しはしたが、やはり炎は効かないか。

俺はそれを確認すると、高速でドラゴンに接近する。

ほぼ瞬間移動と言っても過言ではなかった。

そしてドラゴンの頭に鎌を突き立てる……が、鱗に阻まれ、攻撃が届かない。


ならば物質取込能力で引き剥がすのみ!

俺はドラゴンの頭を引っ掻くように触れた。

鱗は綺麗に取れ、皮膚がむき出しになる。

───そして、鎌を再び突き立てると、脳を引き裂き、頭を両断した。


声も上げず、ドラゴンは絶命して崩れ落ちた。

生命力も感じない。

ドラゴンに触れると取り込みが始まり、俺の中へと吸収される。


《アビリティ取得を確認。 物理・火属性耐性、竜化、爬虫類支配を獲得しました》


わお、豪華だな。

竜化なんてロマンすぎるだろっ!

と、俺はウキウキしながら馬車に戻った。

オークやゴブリンがポカーンとしていた。

そんな驚く事もなかろうに。


「ほら、さっさと進むぞ」


声を掛けるとオークとゴブリンは我に返ったように進み始めた。

馬車の中に入り、ヘレナとバステトに戦闘が終わったことを報告する。

かっこいいとかベタ褒めされてデレデレに照れまくった。

調子に乗ってヘレナをからかったら馬車から落とされそうになったのは内緒だ。


俺は一つ気になっていたことがあった。

俺が今まで唱えた──といっても二つだけだが──魔法だが、アナグラムで出来ていた。

攻撃カウンター魔法の『ウタックアタアンカー』は並び替えるとアタックカウンター。

失神魔法の『ウェーコンカブッション』はコンカッションウェーブ。


ここまでは別にいい。

あまり驚くものではない。

俺が気にしていたのはこの魔法を俺は粉世界から来る前から知っていたことだ。

いや、正確には作ったと言うべきか。

この魔法は俺がイベントに出そうとしていた作品に使うために作り出したオリジナル魔法なのだ。

なんでこの世界で使われてんだ……?


うーん……深く考えても考えても仕方ねぇか。

情報が足りなすぎる。

もっと旅をする必要があるな。


ふと、外を見て見ると既に暗くなり掛けていたので、馬車のカーテンを開けてゴブリンに野営の準備をするように指示を出す。

俺も手伝って、テキパキとテントやその周りのセッティングを終えると、ゴブリン達が狩りに出かけた。

夜目が効くゴブリンは昼行性の動物を狩るにはもってこいなのだとか。

携帯食料はお世辞にも美味いとは言えないから気を効かせてくれたのだろう。

焚き火で暖を取りながら待っていると、ゴブリン達が鹿を捕ってきた。

既に捌いてきたらしく、すぐに調理出来るようにしてある。

こいつらすげぇな……。

俺では狩りなんて全く出来ないだろう。

なんせしたことが無いのだから。

こいつらを連れてきて正解だったな。

出来上がった鹿の肉を頬張って味わう。

少し焦げがあったがそれが少し香ばしくてうまい。

携帯食料と比べるまでも無い。


「美味すぎるっ!!」


俺は感嘆の声を上げてまた食らいつく。

ヘレナはかなりの速さで齧っているが、食べる量少ないから小動物のような食べ方になっている。

バステトは引きちぎる様に食べていてあまり上品とは言えない。

だか二人が肉を食べてる姿は非常に可愛らしかった。

カワイイは正義と言うのは両手を上げて同意したい。


あぁ、こんな楽な暮らし出来るんであればこっちに移り住んでしまいたいなぁ……