嘆きのoltremare -蒼蓮華伝-

柚妃@うさまらーさんと仲良くなりたい
@weisswinde

乱戦

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雲雀の問いかけに答える様子もなく、口にした言葉は明らかに別の人間に……蓮華に向けられている。

蓮華を見据える瞳は戸惑いと不安に揺れるのを虚勢で覆い隠しているようだ。




「…………」




何も答えない蓮華に苛立ったように舌打ちをするとダイナマイトを構えた。

綱吉や山本、流石の雲雀も動揺を見せるが、蓮華だけは特に何の反応も見せなかった。



「ご、獄寺くんっ!?どうしたの、いきなり。蓮にそんなもの向けるなんて」



「十代目、その女から離れてください」



「何言ってるの、獄寺くん」



「その女は十代目の姉上なんかじゃないんです!!」



獄寺の衝撃的な一言と同時に聞こえたパチンッという指を鳴らす音。綱吉が獄寺の言葉を反芻する間に綱吉は右のこめかみに酷く冷たいものを感じた。

頭を動かさずに視線だけそちらに向けると白く細い何かが向けられている。その正体が拳銃であることに気付くのにも時間がかかった。



「……お友達の忠告は聞くべきだったわね…」



「…蓮?」


「…相変わらずバカな子ね……まあ、だから‘あのホンブルクの悪魔’に唆されたんだろうけど…」



聞こえる声には抑揚と感情を感じない冷たい声。同じ声質を持った全く別の人間の言葉のように綱吉の耳を抜けていった。



「……私が何をしに来たかと問いたな……私が誰か知りながらそんなくだらない事を問うなど愚かなことだと思わない?スモーキング・ボム」



淡々と言葉は連ねられるが全く現実味がない。自分の後ろに立っているのは間違い無く自分の姉だ。でも、向けられている拳銃もおそらく本物だ。だが、普段なら恐怖する状況にも全く反応できていない。

まるで映画やドラマの撮影に駆り出されているのではないかなどと思ってしまう程に綱吉には信じられないことが起こっていた。



「…差し詰め、別の誰かから私が日本に来ている事を聞いていた故にそんなに動揺しているといったところかしら」


「ちっ!!」


「……ゾッとしない?私、ずっとあなた達の側にいたんだよ」



クスクスと笑う姿はやはり美しいが、毒その物だ。その嘲笑と言葉は獄寺の血の気を引かせ、恐怖させた。



「…ずっと騙していたのか…」



「騙す?心外ね…私は今を含めて嘘など口にしていない。ただ、自分の事を話していなかっただけ」



「何言ってんだ!!今だって沢田蓮華のフリを」




「私は‘フリ’なんてしてない…そうよね?…綱吉」






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