嘆きのoltremare -蒼蓮華伝-

柚妃@うさまらーさんと仲良くなりたい
@weisswinde

日常

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「やっぱり、おかしいって。」



「どうしたんすか?」



「蓮のことだろ?」



「うん。さっきの時間も居なかったし……まさか、また風紀委員に捕まったとかないよね!!」




頭に浮かんだのはあの雲雀恭弥に追い回される姉の姿。朝のこともあるし、考えられないことではないができれば考えすぎであってほしい。



「やっぱり、オレちょっと探しに行ってくる」



「ツー君誰を探しに行くの?京子ちゃんならさっき教室に入っていったよ」



「蓮っ!?」



「ん?どーしたの?」



今にも走り出しそうなツナの真後ろから現れたのは件の娘。不思議そうに首を傾げるその姿は愛らしいが、一体いつからそこにいたのだろうか。



「何処に行ってたんだよ」



「ん…ちょっとね。」



「いきなり居なくなったりするなよ!!ヒバリさんに捕まったのかと思ったじゃないか」



「……ヒバリ?あの学ラン着た黒髪の風似の人?」




視線を逸らし、在らぬ方向向く蓮華に詰め寄るように言葉を向ければ先程可愛い一面を垣間見た少年を思い出した。


並盛中で最強と呼ばれるだけのことはあるがさっきの一面がよほど気に入ってしまったらしい蓮華には恐怖など感じられない。むしろ、自分の想い人に似ている彼に恐怖など感じていなかった。


「(…風似?)そうだよ。並中最強の風紀委員長だよ。」


「ふーん」


「蓮は怖くないの?」



顔を歪める弟は、本気で怖がっている様子だ。確かに一般人からしたら彼の強さは外見年齢からしてもずば抜けているが、既に敵にならないと公言された今、特に何とも思っていない。


彼等と共に教室に戻れば、また幾つもの視線が自分に向けられ、弟と話すだけで面倒事に巻き込まれるのかと溜息が漏れた。


体育のあとの授業などきっとこんなものだろう。大半の生徒は先刻のプールの授業で体力を使い果たし眠りに誘われている。無事に体が起きていても大いなる旅路に出発せんと船を漕ぎ出す始末。

担当教師も半ば諦めながら授業を進めている。


蓮華は起きてノートはとっていても授業などまるで聞いていなかった。気になるのは放課後に件の彼から望まれるであろう事柄。

一体、彼は自分に何を望むというのだろうか。準備するほどの要件なのだろうか。そんなことを考えている間に授業終了の鐘がなった。その音を聞き、一斉に起き出す生徒に腹を立てた教師が山のような宿題を出したのは言うまでもないだろう。



「蓮も一緒に帰るだろ?」


「へ?」


隣で話をしている弟の声は姉には届いていなかった。全くもって上の空の彼女は一体何を考えていたかなど今のツナには知る由もない。



「あ、私用事有るし、私のことは気にしなくていいよ」


「そ、そうなの?」



少し残念そうな表情のツナを見ながら、彼がこの後の自分の用事を聞いたら一体どんな反応をするのだろうか。


終礼も終わり、居残りを言い渡された生徒たち以外は各々帰路につく。教室を見回せば、ツナ達を含めても10人弱の生徒達しか残っていない。

時計を見上げると指定された時間を指している。蓮華は立ち上がるとカバンを持ち、扉へと向かった。



「蓮帰るの?」


「うん。また明日ね」


「え…」



にっこり微笑む彼女の言葉に戸惑いを見せるツナだったが、問いかけようとしたときには蓮華はもう教室を出た後であった。

同じ場所に帰るはずの自分にどうして‘また明日’なのだろうか。



「わあー蓮にリボーン達のことどう説明しよう」



しかし、彼女への疑問より先に自宅にいる者達のいい誤魔化し方を模索しなければならないことに気を取られる。こんな時、双子とは厄介なものでしかも、蓮華の勘は恐ろしいほど鋭く余程の事を言わない限り見抜かれてしまうのだ。

この後の補習中も精一杯考えたが、良案は浮かばなかった。




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