嘆きのoltremare -蒼蓮華伝-

柚妃@うさまらーさんと仲良くなりたい
@weisswinde

再会

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「オレが案内するぜ」


斜め後ろ辺りから声がすると蓮華の体にのし掛かっていた重みが無くなる。視線を向けると長身の爽やかな笑みを浮かべた少年が雲雀を背負ってくれていた。



「ありがとう。えっと…山本武くん」



「あれ?俺、自己紹介したっけ?」



「その事については歩きながら話しましょう」




にっこりと微笑む少女はまるでフランス人形のように美しい。そして、反論させずに自分に従わせてしまう不思議な魅力を持つ少女。しかし、それに抵抗する男が1人。



「さっきから人を無視してんじゃねぇぞ!!何気安く10代目に命令してんだ」



「さっきから煩いわよ」



「んだと!?」



「女の扱いが下手ってことはまだまだ子供ね」




‘スモーキン・ボム’と小さく呟けば獄寺は動揺を見せる。彼の手に小型のダイナマイトが数本握られているのを確認したツナは彼の手を握り放とうとしたソレを阻止した。

そんな獄寺の反応には目もくれず、凛とした表情は変わることなく山本に部屋を出ることを促す。明らかにキレている獄寺を必死に止めるツナを残し、2人は教室を出て行った。




「あれ?ヒバリさんがいないよ」



「あの子もいない」



「そういえば、山本くんは?」



扉が閉まると一斉に生徒が息を吹き返したように動き出す。まるで今まで時間が止められていたような周りの会話に飲まれ、彼等の時間が本当に止められていたことに2人は気づくことができなかった。





「蓮さんだっけ?」


「蓮華です。好きに呼んでくださってかまいませんよ」


「なら、蓮って呼ばせてもらうな。早速だけど聞いて良いか?」


「ええ」



雲雀を応接室のソファーに寝かせ、部屋を出ると山本は立ち止まり彼女を見据えていた。彼の申し出を特に嫌がる様子もなく対応する。


「お前って、ツナのいとことかか?」


「…え?」


「どことなく似てる気がするからさ」



鳩が豆鉄砲を食らったように呆気にとられる蓮華。あまりにも言われ慣れないことを言われ不覚にも誤魔化すことも忘れてしまった。




「似てるって、初めて言われたわ……

半分当たりよ。でも‘いとこ’じゃない。ツナは私の……」



適当に偽ることはできたが、彼の口にしたことがヤケに心地よくて偽る気すらおこらない。とんでもない仲間を見つけたなと心中で苦笑する彼女は言葉を紡いだ。



「10代目、あの女何なんすか?あの女絶対堅気じゃないっすよ」



「そんなことないよ。だって、蓮は……」




言葉を紡ごうとした言葉は止められる。

心配そうに見つめてくる獄寺の視線から逃れるように視線を扉へ移すとガラガラと扉が開く。どうやらあの二人が帰ってきたらしい。




「ツナ~お前の姉ちゃんすげーのな」



「えっ!!」



「ツナ、ごめーん。話しちゃった」





山本の後ろからひょっこり現れた自分の片割れ。先程自分が口にすることを戸惑ったことを目の前の娘はあっさり山本に口にしたらしい。


父と共に海外にいることの多い彼女はたまにしか会うことがないから尚更彼女と自分を比較してしまう。いつからだろう…あまりにも似ていない自分達のことを姉弟と口にしなくなったのは。



「自己紹介が遅れました、私、沢田蓮華レンカと申します。海外暮らしをしていた綱吉の片割れです。」


彼女がにっこりと微笑むと生徒達はツナと蓮華を交互に見た。髪は金、すらっと伸びた足は八頭身を形成し、身長は明らかにツナより高い。はっきり言って誰がどう見ても血縁者には見えない。



「てめぇが10代目の姉弟だ?ふざけたことぬかしてんじゃねぇぞ」



「獄寺くん、蓮とオレは本当に姉弟だよ」



「双子でもツナはななさん似で私は父親似なのよ」



既に犬猿を悟ったのか彼女は獄寺を相手にもしようとしない。その態度は更に獄寺の怒りを逆撫でしているのに気付きながらそれを宥めるツナの様子をクスクスと笑いながら眺めている。




少し遅れながらも授業が開始される。蓮華の席はとりあえず、ツナの隣となり、まだ教科書の届かない彼女はツナの教科書を見せてもらうこととなる。



「沢田、次の問題解いてみろ」



「あの…どっちですか」



「じゃあ…」



「私解きます」



明らかに嫌そうな顔をするツナの隣で椅子から立ち上がった蓮華は真っ直ぐ黒板へ向かう。カリカリと黒板に走らせるチョークの音は軽快で全く止まることもなく奏で終わった。



「正解だ。転校早々感心だな。」



「いえ」



明らかにツナに向けた嫌がらせだと気付き、名乗りを上げた彼女の愛想笑いは輝かしい。

そう―彼女はかなりのブラコンなのだ。



「前回の小テストを返すぞ。30点以下だった奴は放課後居残りだ。」



「そんなー」



「マジかよ」




声を上げたのは補習の常連であるツナと山本だ。チャイムと同時に蓮華がツナの答案に視線を向けると24点と赤文字で書かれている。



「ツナ、補習って何するの?」



「あ、再テストで50点以上を取るんだよ。」



「なら、簡単な方法教えてあげるから座りなよ」



「本当?」



「うん」




机を離すと椅子だけ動かし、彼のノートに公式を連ねる。それを事細かく説明しているとそのノートを覗き込む影が1つ。



「蓮、わりぃけど、オレにも教えてくんねぇ?」



「ん?いいよ。山本くんも数学苦手なの?」




快く引き受けた彼女に彼の信者であろう子たちの視線が刺さる。蓮華は内心溜息を吐きながら彼のノートにも公式を連ねた。彼女の説明はわかりやすかったのか、山本もツナもその日の放課後は一発で追試に合格したのはまた別の話だ。




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