SAKURAペダル

3ペダル

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学校も終わり、下校時刻となった。

私は仕事前にアキバへ行くため、その行動内容を頭で整理する。


裏門から駅へ向かう

駅のトイレで変装する

電車に乗り、アキバへ向かう

ドラコーンの限定版ブルーレイ1巻を手に入れる

ガシャポンをする

仕事へ


よし、脳内シミュレーションは完璧。さて、帰りますか。


「私、仕事あるからもう帰る。じゃあね、鳴子君」


「おう、また明日な~」


私が少し早歩きで廊下を進んでいると、おさげの女子とその友達らしき集団が高身長で切れ長の目のいわゆるイケメン君に話しかけていた。


人の事言えないけどそんな無愛想な人のどこがいいのかわからない。


「あの市場第三中今泉君、ですよね?私も三中で同じクラスに無かったことはなかったけど……

 あっ」


イケメン君もとい今泉君は彼女が話しているにも関わらず素通りしようとしていた。


勇気を出して話しかけてきたのにその態度はよくないんじゃない?

それにしても市場第三中の今泉……あれ、どこかで聞いたことがある名前だ。


「あ、あの!私最後の大会見に行ってて、惜しかったね、準優勝」


彼女のその準優勝という言葉に今泉君は眉間にしわを寄せながらこちらへ歩いて来る。

どこかで見たことあるなと思ったけど、父に連れて行かれたロードの大会だ。これで納得。


見たことはあるが関わったことがない赤の他人。其れゆえに話す理由もない。

そのまますれ違おうをしたが、なぜか彼に腕を掴まれた。


「なに?」


「え、いやあの……」

『朝のときに見かけた女が視界に入ったから思わず腕を掴んでしまった。なんて説明しよう……』


私は彼に腕を掴まれる理由がわからなかった。というか、早くアキバに行きたいのだけれど。


「ねえ、用が無いなら離してくれる?」


……こういう言い方しかできない自分が時々嫌になる。


「あ、す、すまん。その、なんだ……朝ママチャリに乗ってた奴を助けた女だろう?」


「なんで知っているの?」


「いや、ママチャリの奴を引きそうになった車に乗っていたんだ。その時に見かけてな」

『何を言いたいんだ。俺は……』


あの時の運転手を呼んだのはこの人か。聞いたことがある声だと思った。


「運転手に伝えて頂戴?運転のときはきちんと前方を見るようにって。

 それじゃあね、イケメン君」


私は急いで行かなければいけないところがある。電車に間に合わなくなってしまうでしょうが。

しかし、彼は先程と同様にまた私の腕を掴む。


「……他に何か?」


「あんたの名前を教えろ」


「はい?」


「いいから」

『なんで俺はこんなことを聞いているんだ……』


名前を聞かれた私も困惑したが、聞いた張本人もなぜか困惑しているように見えた。


「教えたら離してね?私の名前は東雲咲良。これでいいでしょ?じゃあね」


私は今泉君が手を離したすきに走り出す。早く行かなきゃ……。

すると、今泉君が何か言ったような気がして少し立ち止まり、振り向く。


「お、俺の名前は今泉俊輔だ」


「今泉君ね。覚えとく」


そう答えてまた廊下を走り出す。


今泉君はまだ何か言いたげだったが、もはや私に気に掛ける余裕はなかった。



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