SAKURAペダル

1ペダル

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私は東雲咲良、今日から総北高校の1年生。


秋葉原に通う途中、スカウトされてなんとなくモデルをやっている。芸名はSAKURA。

母親がロシア人で、日本人離れしたその容姿はモデルに適したルックスなのだと言われた。


ーーーようは私の見てくれしか見ていないということでしょう?


皆私の中身を見ようとはしてくれない。

私はモデルをしているが本当は日本のアニメや漫画、ゲームが大好きだ。所謂オタク。

そ例えばラブ★ヒメについて3時間は語れるレベル。


でも、モデルである私がオタクだということは隠している。

というか社長に口止めされている。


モデルである“SAKURA”のイメージが悪くなるからという勝手な理由で……。


だから秘密がばれないようにあまり人とは関わらないようにしてきた。

私は嘘がつけないからすぐにばれてしまう。


それに加えて元から私にはあまり人が寄り付かない。理由はわからないが……。

そのため小・中学共に友達といえる存在がいなかった。

私も昼休みに友達とアニメの話をしながら昼食をとりたいし、放課後にはお忍びで一緒にアキバに行ったりしたい。


だから


こんな私とも秘密を共有してくれるような本当の友達を作るって決めた。


それで私はアニ研のあるこの総北高校に入学し、裏門から登校の真っ最中。

なぜ裏門から登校しているのかというと、正門からでは人目に付きすぎてしまうから。

一応モデルをやっているわけだしね。

それにこの坂が一目見て気に入ってしまった。自転車をやっていた父の影響だからだろう。

こういう場所を見ると自然とわくわくしてしまうのだ。


さて今のうちに今日のスケジュールを確認しておこう。

私はスケジュール帳を開いて今日の日付の項目を見る。


今日はドラコーンの限定版ブルーレイ1巻の発売日。

学校終わったら仕事行く前に行かなきゃ……。


まあ、七時半からの雑誌の撮影の仕事だしぎりぎり間に合うかな?

私がそう考えて歩いているとすごく聞き覚えのある音楽が耳に入った。


「ひ~めひめ、ひめ、好き好き大好き、ひめ、ひめ、キラキラリン♪」


誰かが歌っているのはラブ★ヒメのOP『恋のヒメヒメぺったんこ』だと瞬時に気づく。

歌声が聞こえる後方を見ると、そこにいたのはメガネをかけたいかにもオタクな青年がママチャリをこいでこの激坂を上っている姿だった。

私と同じ趣味を持つ彼に出会えたこと以上に、この激坂を足もつかずに楽しそうにこいでいるその姿に目を奪われた。


「まさかこの坂をママチャリで上るなんて……」


 私が呆気にとられていると彼の後方から車がやってくるのが見えた。


「ママチャリの君!!避けて!!」


「え?うわあー!!??」


私はとっさに叫んだが、どうやら遅かったようだ。

彼はママチャリと共にフェンスを越えて道路下に真っ逆さま。

私はそのあとを追いかけて倒れている彼を起こし、なんとか道路まで引き上げる。

そしてすぐさま車から降りてきた運転手を睨みつけ、怒鳴った。


「ちょっと、おじさん!ちゃんと前向いて運転しなさい。大けがしたらどうするの?!」


運転手もまさかこの坂をママチャリで上っているなんて思わなかったのだろう。

顔面蒼白ですぐさま頭を下げる。


「す、すみません!!君、大丈夫?」


そんな私や運転手の心配をよそにメガネの彼はへらりと笑って言った。


「いや、いいんですよ。大丈夫です」


彼の言葉に私が口をはさもうとした時、車の中の人が運転手に向かって言う。


「おい、高橋。なにをやっている?」


「はい、ただいま!もし何かあったらこの名刺に連絡頂戴ね」


運転手はそう言って名刺を渡すとそのまま車に乗って行ってしまった。


「大丈夫?自転車引くの手伝うから」


 私がそう言うと彼は焦りながら首をぶんぶんと横に振って言う。


「え?いや、あの…いいんですよ。僕がやりますから!!」

『き、綺麗な人///僕こんな綺麗な人と話したことないから苦手だ。

ーーーあれ?どっかで見たことあるような……?』


「いいから。人の好意は受け取っておきなさい」


「あ、ありがとうございます!!僕は1年の小野田坂道って言います。あなたは?」


「私は東雲咲良、同じ1年。うん、ブレーキやライトは大丈夫そうね。でもタイヤがちょっと不安要素かも」


「じ、自転車詳しいんだね?」


「ええ、父が自転車関係の仕事してるから。あ、よかったら一緒に学校まで行かない?」


私は彼に興味を抱いていた。

アニメ好きかもしれないということだけでなく、本人が気づいていないであろう自転車乗りとしての才能にも。


「ええ!?あ、はい!」

『こんな綺麗な人が僕なんかと?!』


私はメガネ君もとい小野田君と他愛もない話をしながら登校したのだった。


でも同じオタクだからといってまだ信用はしない。

誰かに口外するかもしれないから。


じっくり見極めさせてもらうね?小野田君……。


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