七里本丸シリーズ外伝

結城隆臣
@Takaomi_Yuki

#同棲している二人の日常

ふと、目が覚めた。

枕元にある眼鏡をかけて、壁に備え付けられた時計を見ればし時刻は深夜一時。


這い上がって近くのテーブルに置いてあったお茶の残りを飲み干し、再び横になる。

外からは虫の鳴き声が静かに響き渡り、そのリンとした音で竜也は何だか眠れなくなってしまった。


体を起こし、何となくこちらの部屋と向こうの部屋とを仕切る襖を開く。

その先では三日月がすやすやと寝息を立てていた、


じっとその顔を見つめる。

作り物のように整った顔立ち。

長いまつげ。

白い肌。


口を開かなければ、この刀はこんなにも美しい。


竜也はやれやれとため息を付くと襖を閉めるために手を上げた。


「なんだ、眠れないのか」


声にビクリとして見れば、三日月がこちらをじっと見返している。

夜空に浮かぶ月のような美しさをたたえた微笑みに竜也は息を飲んだ。


「眠れぬのなら、じじいが添い寝をしてやろうか」


三日月手がこちらに伸びる。


「不要だ!」


竜也は急いで襖を閉めると、布団の中に飛び込んだ。


「はっはっは。寝ているときでなくとも、俺の顔を見ていたくば、いつでも見せてやるぞ。安心して寝るが良い」


声が聞こえる。


「話しかけるな!」


どっどっと早まる心臓を抱えて、竜也は硬く目を閉じ布団の中へ深く潜った。

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