夏祭り。

荊百合子@妄想夢詩
@yuriko_ko1005

夏祭り。(帰り道の誘惑)

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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蔵馬と夏祭りに来た帰り道。


長い銀髪と耳をキャスケットにしまい込んだ浴衣姿の蔵馬は渋い顔をしている。


もう夏祭り会場からだいぶ離れた。

静かな夏の夜が返ってくる。


小さな虫の声を聴きながら歩いていると石階段の上に神社が見えた。


―――あれ?こんな所にあったかな。


そう思いながら通り過ぎようとした私の浴衣の袖を蔵馬が「おい」と引っ張って来た。


「姫、ちょっと寄っていくぞ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「寄っていくぞ」なんて言うからお参りして行くのかと思ったら、

短い石階段の真ん中で蔵馬は立ち止まって腰を下ろした。


それに倣って隣に座る。

下の歩道を夏祭り帰りらしき人たちがまばらに通り過ぎていくのが見えた。


蔵馬は「もういいだろ」なんて言いながらキャスケットを脱ぐ。

長い銀髪がふわりと舞って、夜空にとても映えた。


「今日の夏祭り、どうだった?」


隣の蔵馬の顔を覗き込みながら訊く。


「つまらん」


即答する蔵馬。


「えーっ?」


まさかの回答にがっくりと肩を落とした私。


結構楽しそうにしていた気がするのに・・・「気がする」だけだったのかな・・・。


「なんだ・・・そっかぁ・・・」


露骨に落ち込む私の横で、蔵馬は一度空を見上げてから


「人混みでは」


右手で私の腰に腕を回して耳元で囁く。


「・・・え?」


間近にある蔵馬の顔に鼓動が早くなる。


左手は私の顎を捉え、そのまま顔が近づいてきて

唇がやっと触れる距離でぴたりと止まった。


「人混みでは、こういう事をしてはいけないんだろう?」


蔵馬の唇が、私の唇の上で動く。


何も言えず固まったまま顔を赤くしていると


蔵馬の舌が私の唇を這った。


思わずぴくりと肩が上がる。


「姫の唇は甘いな」


微笑まれた。


「さっきのリンゴの飴のせいか?」


唇は相変わらず触れたまま。




蕩けていきそうな意識の中、

私は至近距離にある金色の瞳を見ながらぼんやりと考えていた。


ねえ、蔵馬。

私は楽しかったよ。


いつも「おい」とか「お前」としか呼んでくれない蔵馬が

今日は「姫」って呼んでくれた。


それだけで、とても嬉しかった。


蔵馬。


また「姫」って呼んでくれる?


ねぇ、蔵馬。


来年もまた一緒に来れるよね?


ねぇ、蔵馬・・・。





「姫」


「ん?」


触れた唇の熱。


「また来年もオレと行くだろ?」





その熱を私はずっと忘れられない。



静かな夏の夜。



遠くに提灯の明かりを感じながら蔵馬と重ねた唇は

夏の夜の幻のように、淡く儚い光を放っていた―――





おわり。






・あとがき・

新しいアプリが出たので、とりあえずお試しで書いてみました。

ちゃんと名前変換できるのかな?

というか、どういう風に表示されるんだろう?

全然わからないので、すっごく手探り(笑)

そして、夢小説の内容としましては、以前書いた蔵馬(妖狐)との夏祭りの夢詩を加筆した訳です・・・けど・・・。どうなんでしょうか!?

か、感想とか頂けたら喜びますよっ(小声)