ポケモン/GrandOrder

TsugumiCAMIO@Swinub
@TsugumiCAMIO

序章1-1

 とある歴史のとある未来。

 携帯獣(ポケモン)継続保証機関:<プニス・ジガルデ>。

 テンガン山の地下に作られた魔術機関であり、中はそれほど広くはないのだが、方向音痴のススムが迷うには十分だった。

「おかしいなぁ、自室に向かってたはずなんだけど……ここは……展示室かなぁ」

 呟いた後で、ススムは<ジガルデ>にそんな部屋があるわけがないことに気付く。

 <ジガルデ>は、過去にデボンコーポレーションが開発した<通信ケーブル>の技術を用いて、

ポケモンと人類の未来を観測し続ける機関である。当然、様々なセキュリティで管理されており、展示を見にくるような一般客など入りようがないのだ。

 にも拘わらず、ススムが展示室と誤認した理由は、部屋の真ん中に置かれたガラスケースだった。

 博物館や美術館で展示に使われるようなガラスケース。その中に、金属製の棒が一本横たわっていた。

「なんだこれ……ビリヤードのキュー?」

「あーっ!」

 ススムがガラスケースに触れようとしたところで、背後から大声がした。

「ちょっと君、こんなところで何やってるの!?」

 振り返ると、一人の女性がススムをにらみつけて仁王立ちしていた。

 着ている制服は<マスター候補生>のものではないので、職員だろうか。ススム自身は到着したばかりでまだ着替えていなかったが、何人かすれ違ったので制服のデザインぐらいは把握している。褐色の肌の、快活そうな女性だ。

「ごめんなさい! 道に迷ってて!」

「迷ってて……って、そんなに広くもない<ジガルデ>で、どこをどうしたら迷うのよ」

「いや、俺すごい方向音痴で……<マスター候補生>の自室ってどっちですか?」

 その言葉を聞いて、女性が納得と呆れのため息を同時につく。

「あんた……ほとんど逆方向に来てるじゃない」

「まじっすか!?」

「弱ったわね……<転移システム>の説明会まで時間がないけど、さすがに私服のまま向かうわけにはいかないだろうし。自室についてからまた説明会場まで迷われると、連帯責任で私たち全員ブランシェさんに怒られるのよね……」

 女性はしばらくぶつぶつと悩んだ後。

「もう、しょうがないから私が案内するわ。ついてきて」

 と、提案した。

「うわあ、ありがとうございます! 助かります!」

 自分の方向音痴に半ば呆れての提案と気付かず、ススムは素直100%で感謝する。

「俺はススム。ジョウトのキキョウシティから来ました!」

 あまりに屈託のない自己紹介に、女性は一瞬面くらったが、ススムがいわゆる「根っからのお人よし」という人種なことに気づいたらしく、諦めて自己紹介を返した。

「私はキャンデラ。アローラ地方の由緒ある魔術師で、チーム・ヴァーラーのリーダーよ」

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