朝がく!

南城は南城です
@npo_mjo

第1話

朝起きて時計を見ると、針が6時30分を指していた。


学校は8時30分から始まる。

まだ時間はある。


鈴鹿は起き上がり、適当な服を身につけて自分の寮の部屋を出た。


この学校は全寮制の男子校である。校則がゆるゆるで人気がある学校だが、そのせいか派手なやつが多い。

地味なやつがいびられているのをよく見かける。


面倒ごとに巻き込まれたくない鈴鹿は、そういうのを見かけたら基本的にスルーである。


しかし、その鈴鹿もターゲットにされている1人。

鈴鹿は見た目がもういじめられる対象なのだ。


いつも、学校では大きめの伊達眼鏡にマスクという不審かつ地味な見た目。


その見た目のおかげで毎日のように嫌がらせの対象。


でも鈴鹿はそんな事をされても動じないし何も言わない。

ただ、暴力を振るわれそうになると鈴鹿はそれに過敏に反応し相手を速攻で締めて終わる。


とにかく、鈴鹿はいろんな意味で強かった。


『なんか飲み物でも買って帰ろう』

コンビニに来ていた鈴鹿は、適当におにぎりを10個ほどと飲み物を2本買って寮に戻る。


その際、いつも食堂を通りおかずを貰うのだ。


「鈴鹿ちゃん、ほらたくさん詰めておいたよ。」

『やった!ありがとう小林さん』

小林さん、食堂で料理をふるまってくれる男の人。

確か、25歳だったはず…

身長は180超え

スラッとしていて、程よく筋肉のついた体型。

誰が見てもイケメンだと思うだろう。

実際、小林さんはこの学校の生徒にすごく人気である。


そしていつも別に頼んでいないのにおかずの詰め合わせをくれる。


こうなったキッカケは、1年の時にたまたままたこのような同じ時間に食堂を通った時だった。


鈴鹿さんは俺に「一目惚れしたよ。いつもコンビニでご飯を?良かったら俺が作ったおかず持っていかない?」

一目惚れとか訳わからないけどそれからずっとこれが続いている。


「鈴鹿ちゃんはどうしてこんな誰もいない日は不審な格好しないのに学校となるとあんな不審な格好になるの?」

『それは秘密です』

口元に指を当てて小首を傾げニコリとすこし微笑む


「…鈴鹿ちゃん…それ無意識…?いつか襲っちゃいそう……」

『?喧嘩…?』

「鈴鹿ちゃんてすごい鈍感だよね…あーあ、その鈍感さと無意識な行動にハラハラするよ…」

『どうしてですか?』

「…うん。学校では眼鏡とマスク必須だね。絶対に外しちゃダメだからね?お兄さんとの約束だよ?指切りするかい?」

『…いや、遠慮しておきます』

「傷付いた…じゃあせめてハグさせて」

『そっちの方はもっと遠慮…わっ』

返答を待たずに思い切りハグされる鈴鹿。

そして勢い余ってそのまま後ろに倒れる2人。

『小林さん…重い…もー、がっつかないでよ…全く…』

「ごめん、鈴鹿ちゃん…俺ちょっとこの状況やばいかも」

そう言うと小林さんはすぐに立ち上がり厨房に入っていった。


『何がやばいのかよく分からないけど俺戻りますね。おかずありがとうございます』

「うん!!いいんだよー!それじゃあまたね!!!」

少し距離が開いた先でブンブンと手を振ってくる小林さんがなんか面白くてニコリと微笑んだ。


そして鈴鹿は自分の部屋に戻っていった。


「あー…8も歳が離れてる子にまさかこんな事になるなんて…鈴鹿ちゃん可愛すぎ…」

1人悶々と頭を悩ます小林さんだった