LIVEスターと!

電話スターと

 「…私はもう戻るけど、3人は?」

今やるべき仕事を終えて、かばんを取った。

「何かして遊ぼう!」

「子供か。」

蒼依は呆れながら黄の話に耳を貸す。

「それじゃ。…明日の夕方も来るから、そのつもりで。」

盛り上がってきた3人を横目に、部屋を出た。




 「紫。社長から聞いたよー。マネージャーになったらしいねー。」

部屋を出てすぐ、廊下でアカリにすれ違った。

 

 アカリ…10年近く活躍している人気アイドル。見た目は中性的な大学生くらいの男の子。実年齢は千歳以上の自称魔王。赤毛に黒メッシュというロックな格好から想像できない爽やかな音楽で人気の二人組ユニット・Earthアースのメンバー。


 「シオンが社長に反抗したのも聞いたよー。反抗期ー?」

「私に聞かれても困りますけど…。」

「紫も大変だねー。あ、でも今から仕事の話しよう。」

アカリさんは私の返事も聞かずに手を引っ張って行く。


 連れていかれたのはEarthのユニットルーム。

「さーさー入ってー。」

「失礼します。」

「そんなに緊張しないでさー。」

ニコニコ笑いながら背中を押された。


 




 「あー!なんで勝てねーの?!」

黄がトランプを机に叩きつけて嘆いた。3人でババ抜きをしていたのだが…。

「蒼依さん、ぜんぜん表情変えませんよね…。」

「緑は演技がワザとらしいんだよ。表情筋はミリ単位で制御しないとリアルさが生まれない。」

「ミ、ミリ単位で…?」

「俺はどーっすか?」

「お前は素でやってるだろ…演技以前の問題だよ。」

蒼依はトランプをケースに戻しつつ、二人にアドバイスを送る。年上としての自覚はあるよう。

 …まぁ、ミリ単位で表情筋動かすのは無理だと思うけど。


 ふと、蒼依が手を止める。

 「マネージャーから電話だ。」

蒼依はポケットからスマホを取り出し、イヤホンをつけて通話を始めた。

「もしもし、葵です。」

『最初のライブが決まったから、伝えておこうと思って。

 Earthの定期ライブでゲストとして呼んでもらえることになった。1ヶ月くらい先のことだけど。』

 淡々と凄いことを口にしてくる。Earthといえば、日本の中でトップレベルの人気を誇るアイドル。この事務所を有名にしたのだって彼らだった。

 …そんなアイドルが立つステージに登れるなんて。

「凄いな…。」

『あと、今プロデューサーと一緒にいるんだけど。…挨拶しておく?』

「ああ。代わってくれ。」





『・・・えっと…も、もしもし…。。。あの、えっと、その…。』

しばらくすると、電話の向こうからオドオドした声が聞こえてきた。人見知り、というのは嘘ではないらしい。


 「はじめまして。葵 蒼依です。よろしくおねがいします。」

『は、はいっ。えっと、、、シオンっていいます。その、よ、よろしくおねがいします。』

「無理しなくていいですよ。…緑に代わりますね。」

 上手く続かない会話から逃げるように、緑と黄に今までの成り行きを説明する。少し驚いていたけど、緑は電話を代わった。


 「もしもし、豊河 緑です。」

『は、はいっ…。えっと…シオンです…。』

「シオンさんですね。よろしくおねがいします!」

『は、はいっ…よ、よろしく、、、おねがいします。。。』

「黄に代わりますね。」

『は、はい…!』


 「もしもし!光利 黄です!」

『ひゃっ。え、えっと…シオンといいます…。』

「…え。。。っとカワイイですね!」

あまりの衝撃につい癖で口説きかける。後頭部にクッションが直撃。緑が投げたらしい。

 気にせずに通話を続けることにする。

「そうだ。カフェでお茶でもしませんか。あ、俺の部屋来ますか?二人だけの夜を過ごs」

次は蒼依の手刀が降ってきた。痛い。

「じょ、冗談ですよ…。でも、いつか直接会いたいです。」

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