天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

誉は疲れた
@tukuyomi_homura

第33章~ジャミール~

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「着いたぞ」

「は?ってえええええ?!!!!!」

淡々としたユズリハの声に反して耶人の叫びが響いた。無理もないだろう。飛蘭達の立つ岩でできた橋の下には大きな谷が広がっており、針地獄のように突き出した岩にはおそらく渡るのに失敗したのだろう。沢山の人の白骨死体が岩に突き刺さるようにして沢山あるのだから。

飛蘭達の立つ岩の橋も人が1人渡れるような細い道で、今にも崩れ落ちそうなのだから。


「なんだここ...??」

「ここはジャミール。さぁ、長の元へ行くと良い。」


4人は橋を歩く。長く細い道は永遠に途切れることのないようにも思えた。しかも先頭はテンマを抱えた耶人だ。ユズリハから


「早くあるけ。アテナの聖闘士だろう」


と煽られては


「うるせーな!俺ぁ死人抱えて歩いてるんだよ!つーかテレポーテーションで来るなら何で向こう岸にテレポーテーションさせねぇんだよ!」


と返している。飛蘭が思わず笑みを零していると再び耶人に怒られる。


「いいから前を見て歩け」

「分かってるよちくしょー!!!」





漸く橋を渡り終えると独特の形をした建物へ辿り着く。見た目は塔にも似ていた。


「ここで長が待っている。入れ」

「わかってるよ!」


耶人がユズリハに不審な目を向けながら塔の中へ入っていく。飛蘭はそれを横目で見ながらユズリハを観察した。

充分な小宇宙。溢れる気品。恐らく聖闘士だろう。青銅...いや、白銀か。そう思っていると入口付近から耶人の悲鳴とテンマを思わず落とす音が聞こえた。


「どうした耶人!」

「聖衣?!!大量の聖衣の残骸が部屋中を埋め尽くしてる?!!!」

「...」

「やっぱりてめぇ騙しやがったな!!ハーデスの手先だな?!この聖衣の持ち主達をどうしたァ!!」


耶人は怒りを抑えきれず、ユズリハに蹴りかかったり殴り掛かる。が、淡々とユズリハはそれを躱す。飛蘭は何故ここに大量の聖衣の残骸があるか悟っていた為、楽しそうにそれを見た。


(ん?大きい小宇宙をかんじる...)

「狼狽えるな小僧ーーーーーーッッッッッ!!!」


その声と共に耶人は吹き飛ばされ、頭から地面に落ちる。


(ぶっ飛ばしやがった)

「やれやれ、聖闘士の質もここまで落ちるとは...嘆かわしいわい!よく聞け小僧!我々はアテナより冥王討伐の為この地で使命を授かった戦場は違えど謂わば同士!」

「あの方が長だ。くれぐれも迷惑がないようにな。」

「この状況で言うセリフじゃないだろ!何が同士だ!信用できるかよ!だったらここに散らばる聖衣の残骸はどう説明するんだ?!あぁ?!」

「そうか、見える証拠が欲しいのか...ならば!」


長がそう言うと飛蘭と耶人の聖衣が独りでに外れ、オブジェ形態になる。

耶人の聖衣はほぼ大破、飛蘭の聖衣は耶人迄ではないがヘッドパーツが欠けたり、ショルダーパーツが無かったりしていた。


「あっ、俺の聖衣!返せよ!!」

「オピュクス!!!何でオピュクスまで?!!」

「では良いな、ユズリハ」


無言でこくりと頷くユズリハは腕の包帯を解き、サイコキネシスで操っているマフラーでピッ、と手首を斬る。左手をへびつかい座の聖衣の上に、右手をユニコーンの聖衣の上に掲げる。垂れた血は聖衣にかかり、異様な雰囲気を持っていた。


「な、何やってるんだよ、お前...!!」

「この聖衣達は既に死んでいる。特にユニコーン。オピュクスはそこまでではないがユニコーンは特に、な。1度死んだ聖衣を蘇らせる為には大量の聖闘士の血液がいることは知っておるか?だが聖戦が始まった今、戦場へ行くお前達にそれを要求することはできん。

このユズリハは聖衣を授かっていないとはいえ儂が育てた立派な戦士。潜在する小宇宙は白銀聖闘士にも引けを取らん。」


長がそう説明し終えるか否や、ユズリハが倒れる。それを間一髪の所で飛蘭が支え、耶人が文句を言う。


「だからってこんな女の子に...!!」

「そうだ小僧。我々も命をかけて戦っているのだよ。

ここは聖衣か死に、再び誕生する地ジャミール。お前達の傷つき死した聖衣。

再び蘇らせてやろうぞ!」


長はいつの間にか持っていた釘と鎚を使い、カーン、カーンと聖衣を直していく。

そして完成すると主のもとへ喜ぶようにして聖衣が戻っていく。

先ほどとは違い、美しく生命力に溢れたその聖衣は傷ついた体にも馴染み、逆に力を与えてくれているようにも感じた。


「ユズリハ!」

「ユズリハ、お前気がついたか?!」


飛蘭がそっと横たえさせていたユズリハが起きる。


「無茶をさせてごめん...治してくれてありがとう。」

「すまねぇ!けど凄い綺麗になったぜ!ありがとな!」

「!大丈夫だ。」

「というかびっくりさせやがって...」

「良い。構うな。我々はまだ本来の目的を晴らしておらん。早く長の元へ...」


長は寝かされたテンマの側に座り、そっとテンマに手を翳していた。長いわく、やはりテンマは死んでいないそうだ。

テンマの腕に付けられた花輪。それは幼い頃のサーシャ...アテナがテンマを思って作った花輪。覚醒していないとはいえアテナ。その祈りが小宇宙となってこの花輪に篭っており、それがテンマの命を繋ぎ止めている。そしてテンマは今頃黄泉比良坂にいる、と長は言う。が、それも時間の問題でもあるのだ、と。


「時間の問題?」

「あぁ。腕を見よ。」

「花輪がかれ始めている?!」

「あぁ。この花が完全に枯れ果てたその時、ペガサスは冥界に堕ちるだろう」

「どうすればいいんだ?このテンマの事なんてどうでもいい!だけどアテナ様が哀しむぐらいだったら俺ぁ命だって張れるぜ!なあ!飛蘭!」

「どうでも良くはないがテンマもアテナ様も仲良くさせて頂いてたからね。助けられるなら助けるさ。長殿、私達はどうすれば?」

「命を張れる、か。」

「おう!アテナの様の為なら何処にだって!!」

「よくぞ申した!一角獣座!へびつかい座も変わらんな?!」

「はい。何処にでも行きましょう。」

「これでこそアテナの聖闘士!死の国へ行ったものは死の国に行かねば連れ戻すことは不可能!」


それを聞いた瞬間、耶人は青ざめる。飛蘭は何となく悟っていたため、焦りはしなかった。が、耶人の青白さは異常だ。ひょっとして考えてなかった??大丈夫か、こいつ。

長は刀を抜刀しながら耶人の眉間につける。


「死んでもらうぞ!一角獣座!蛇遣い座!」

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