百合「抱いて下さい」本編完結

しおり*創作アカ
@ss0usaku

「抱いて下さい」おまけ

1

「わたしも抱かれたい」


唐突にミカさんが要求してきた。


「いいですけど、いまいち女性同士で抱く抱かれるって分かってないんですよね。」

「今まで彼女いなかったの」

「はい。ていうかお付き合いするのも初めてです」

「えっ」

「17才から今までアイドルの追っかけ続けてたんで、恋愛とか興味なくて」

「……処女だった?」

「はい。」

「なんかごめん」

「えーなんでですか、初めてがミカさんとか最高すぎません!?すごいことですよ!!それに気持ちよかったです」

「それならよかったけど」


「抱く抱かれるについてはネット等で調べてからでも良いですか」

「わたしが教えるよ」

「ありがとうございます、助かります」

「……つくづく変わってるよね……」



2

「カナさんって料理上手だよね。自炊してたの?」

「はい、うちは片親で、小さいときから家事の手伝いしていたというのもありますね」

「ふーん。肉じゃが好き」

「おいしいでしょ、親直伝の料理です。」

「カナさんの親にも会ってみたい」

「いいですよ、近いうちにいきましょう。ちょっと遠いんで、ドライブがてら」

「やった」



3

「ミカさんのご家族はどんな方ですか?」

「うーん、ステージママってやつ。悪い意味で典型的な。」

「あー……」

「売れりゃいいってかんじ」

「そうだったんですね」

「カナさんのこと、ママかよって思うときもあるけど、本当のママより優しいし好き。」

「複雑ですが……ありがとうございます。これからも大切にさせていただきます。」

「うん」



4

わたしとカナさんは、交際報道の後、しばらくメディアに触れないように事務所から注意されていた。悪質な書き込みもあるし、気持ち的にも参ってしまうから。


報道から1ヶ月、事務所にて。

「黒川さん、そういやネットの炎上どうなった?」

「大体収まりましたよ。」

「そりゃよかった」

「事務所公認ということもありますが、ここのところミカのコンディションが良い理由がカナさんのおかげだという噂を流したのが効いたようです」

「ふーん」

「事実その通りですしね。本当に最近のミカのコンディションはいいですよ」

「美味しいご飯食べて運動してるから。来週はカナさんの地元でハイキングする」

「それはよかったですね」

「うん」




5

今日はミカさんを恋人として親に紹介する日だ。

「カナ……カナがミカさんの恋人!?うそ!?」

「なんと本当なのです」

「はじめまして、田所ミカです」

「きゃーーかわいい!よかったねミカ!まさかあんたが相手だとは思ってなかったから、もしかして報道にダメージ受けて死んでるかもしれないって心配してたんだよ」

「流石に死にはしない……いや……そうとは言い切れない……」

「本当によかった!10年越しの恋が叶って!流れ星にお願いし続けた甲斐があった!」

「あーーーそれは言わないで!!!」

「カナさん、わたしと付き合いたかったの?」

「いやあのその、」

「そうなんですよーカナったらミカさんのブロマイド買ってきては自分の写真と貼り合わせて恋人風にしてみたりして」

「ちょっと待ってなんで知ってるの」

「部屋に落ちてた」

「あーーーーーー!!!」

「その写真みてみたい」

「わーーーーーー!!!」



6

「わたしもミカさんの親御さんに挨拶しにいった方がいいですか?」

「うーん、あんまり会いたくないからいいや」

「そうなんですね」

「一応メールはしておいたけど。炎上気にしてたから。」

「そっかー……」

「そんな悲しそうな顔しないでよ。家族の形は人それぞれだし、気にしてないから。」

「それならいいんですけど」



7

「カナさんがわたしのファンになったきっかけ教えてほしい」

「あの……えっと……顔です……」

「ああ、顔面のよさはわたしの唯一の取り柄だからね」

「待ってください他にも良いところありますよ!ダンスとかとても丁寧だし声もきれいだし!」

「ありがとう」

「きっかけは顔ですけど、顔が好きなだけで10年追っかけはできないです」

「そっかー」

「初めてミカさんのグループを見たとき、ミカさんの目元の強さに心を射抜かれまして。それからずっとミカさん推しです」

「写真合成しちゃうくらい?」

「ああああそれは忘れてくださいよおお」




8

「ねえ、写真撮ろうよ」

「どうしたんですか急に」

「恋人同士になったんだから、合成じゃなくて、ちゃんと二人で写真撮ればいいのになっておもって」

「おおおその黒歴史はまじで忘れてください……」

「黒歴史じゃないじゃん、わたし嬉しかったし」

「……気持ち悪くないですか?」

「まあそういうの慣れてるし。カナさんにしてもらえていたというのは嬉しかったかな」

「じゃあよかった……」

「スマホで撮ると流出する可能性があって面倒だから、チェキ買ってきた」

「わあ、お気遣いありがとうございます」

「じゃあ撮るよー」


「……ぶれてる」

「はみでている」

「チェキで自撮りはしたことなかったからな」

「わたしもです」

「練習しよう」

「そうですね。あ、これはこれで最初の写真ということで大事にしたいです」

「わかった。」