BL「A君はお怒り」

しおり*創作アカ
@ss0usaku

一日目

一日目

次の朝、学校について一番にBくんのところへ話に行った。

「おはよう、Bくん。」

「……おはよう。昨日の今日で、傷心なんだけど」

「それはごめんね。でも伝えたいことがあったから」


ぶすーっとした表情でこちらを見るBくん。ほっぺたは、僕が叩いた跡で赤くなっていた。怒りに任せてやりすぎたな。反省する。まあそれはさておき。


「ぼく、Bくんのこと好きだよ。でも、いまのBくんとは付き合えない。同性愛に対するBくんの認識は甘すぎる。お互い傷ついて終わりになんてしたくないから」


だから、学んでほしい。


Bくんはびっくりしたようだった。


「お前、俺のこと好きなの」

「まあまあ」

「なのに付き合ってはくれないのか」

「うん」

「……勉強すれば、いいのか」

「うん。Bくんが内面化してしまっているホモフォビアに気づいて、認識を変えてくれるなら。受け入れられるようになるなら。」

「……ホモフォビアってなに」

「同性愛者嫌悪のことだよ。たぶん、Bくんは自分が同性愛者であることを拒否している」

「……そうかもしれない。でも、分からない。難しいな。」

「それはこれから勉強しよう。僕が教える。」


俯いてしまっていたBくんははっとしてこちらを見た。


「お前が教えてくれるの」

「うん。だって僕だってBくんと付き合いたいよ。そのための努力は、僕もする。僕もちゃんと勉強してBくんに教えるよ」


Bくんは期待に満ちた顔をした。


「これからも交流はしてくれるんだ。」

「うん」

「勉強も教えてくれる」

「そうだよ」


Bくんはにっこり笑って、「よろしく」

と言った。


勉強することについて、Bくんに拒否されることも念頭に置いていた僕は、思ってもみないよい展開に少し驚きつつ、「僕もよろしくね」

と答えた。


そうして、Bくんと僕の勉強は始まったのである。



「ひとまずホモって言葉を使うのは止めてほしい。あれは侮辱の言葉だから。」

「そうだったのか……知らなかったとはいえ、昨日はごめん」

「いいんだ。知っていってくれれば。今度からゲイって呼んでね。」

「わかった」


そうして、一日目は終わったのであった。