恋花ーコイバナー

東雲伊咲
@isaki0719

4月11日『いいのかそれで』by結城湊斗

「はよー」


「うぃーっす、湊斗」


「湊斗くん、おはよー」


教室に入り、いつものようにクラスメイトへ挨拶をすると何人かが挨拶を返してきた。


このクラスとなってまだ3日ほどしか経っていない訳だが、早くもそれぞれの仲良しグループが完成しつつあった。


アニメやゲームについて話しているグループやギャル系の女子生徒たちが集まって話しているグループ、そしてザ・不良って感じの男子生徒たちが集まって話しているグループだ。


ちなみに、誰とも話さず自分の机で本を読んでいるようなその他の生徒も少なからずいる。


俺はと言えば。


「おはよ。米倉、若瀬」


「あ、湊斗。今日は早いじゃん」


「鉄拳に捕まらずに来れたんだねー」


比較的席が近いこの2人と仲良くしていた。


1人は米倉希織。


金髪をサイドテールでまとめた少しギャルっぽい女子生徒。


もう1人は若瀬澪美。


ストレートの茶髪でネガネを掛けたほんわかした女子生徒だ。


「思ったんだけど、米倉はなんで向こうのグループに入らねーの?」


教室の隅の方で固まっているギャル系のグループの方を見て聞いてみた。


「んー、なんて言うのかな。馬が合わないってゆーか、ちょっとあの子たちとは違うんだよね。私は男遊びとかしないし。あ、別に仲が悪いとかじゃないよ?」


「そっか。若瀬はどうなんだ?アニメとかゲームとか詳しいって言ってたけど」


「私も同じようなものかなー。ノリが合わないっていうか。やっぱりきーちゃんと話してる方が楽しいしー」


「そういう湊斗だってどうなの?基本的に授業とかサボってるし。不良のグループに入ったりしないの?」


「俺は昔あぁいう連中に虐められてたから何ていうかちょっと馴染み辛い、かな」


「そうだったんだー」


「あー、なんかごめんね」


「いや、全然大丈夫だよ。それと米倉、いつもサボってるみたいに言うけどサボってるのはライブがある日の前の1週間だけだ」


「へぇ、湊斗ってライブとかしてるんだ。学校でやるくらいなら家でやれば良いのに」


「家は色々あって出来ねーの」


「行ってみたーい」


「手売りのチケット余ってるからやるよ。今週の日曜日な」


「オッケー」


「私もその日は暇してるから行こっかな。主に冷やかしに」


「冷やかしだけは勘弁だな」


財布に入っていたチケットを取り出し、2人に渡した。


ついでに吉河にも渡そうと思い後ろを振り返ってみるが、そこに吉河の姿はなかった。


また彼女がどうこうで遅刻だろうか?


「あ、もうすぐで朝のホームルーム始まるし私トイレ行ってくる」


「きーちゃん、女の子なんだから“お”を付けたらどうー?」


「‥‥‥‥?トイレ行ってくるお」


「‥‥‥‥」


「きーちゃん可愛いー」


「え、あぁ、えーっと、ありがとう?」


困惑しながらも席を立ち、教室から出ていった米倉。


「私きーちゃんのああいう所好きー」


「なんで違うって言ってやらなかったんだ?」


「えー、だって可愛いし面白いでしょ?今度から事あるごとに「トイレ行ってくるお」って言ってくれるかもしれないしー」


「いいのかそれで」


「いいともー」