fly!

船長、報告します!

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ここに来てから、何か変だ。


深い霧の中に閉ざされたこの場所は、ーーーの心に何かを植え付けていく。

何かを思い出しそうな気がする。

何かが出てきそうな気がする。

ザワザワザワザワと胸が騒ぐ。

行ってはいけないのか、それとも行かなければいけないのか。

暗い空を見上げ、ーーーは前を歩くウソップらを見る。


ミニメリー号の試運転は良かったが、調子に乗ったナミはミニメリー号を陸地へとぶつけてしまい、反動で乗っていた人間は陸地へと放り出された。

宙に浮き、落下。地に落ちたショックは『ゴムゴム』が吸収してくれたおかげで、ほとんど無い。

この状況、この場所を把握した途端怖がるウソップたちだが、ーーーは本物の人の骨の方に興味が示されていた。

あちらの世界では、人の『死』に触れることはなかった。

ましてや、死体や骨を見る機会など。

「(結構軽いんだ……)」

足に当たった骨は、軽く当たっただけなのにカラコロと転がっていった。

その転がっていく骨を踏み砕き、向かい側から何かが現れる。


「な、何だありゃあ……?」

「え……?」

皆もその存在に気づいたのか、目を凝らす。

大きな犬…いや、犬にしては大きさはともかく首の数が多い。

「「「ぎゃあああああああああああっっ!!!!」」」

ケルベロスだあああ!!と、叫び逃げ出す三人の後に続き、ーーーも走り出す。

当然のように追ってくる三首の犬。


知ってるお化け屋敷よりアクティブだなあ……。


ウソップの煙星のおかげで逃げ切れたウソップ達は、木の上で一息つく。しかし、すぐに足りないものに気づいた。

「……なあ、ーーーは?」

「……え?」


ケルベロスと同様に、煙に撒かれてしまったーーー。

適当に足を進め、墓地に辿り着いた。

「あれ?ウソップー?ナミー?チョッパー?」

はぐれてしまったが、ーーーは未だにお化け屋敷感覚が抜けていないので、また合流できるかなあ。などと考えている。

また適当に足を進めれば、何かの物音が耳に届いた。

「……?」

音のする方へ目を向ければ、墓の前の土が動いている。

あ。と、思った時には、複数のゾンビが飛び出てきた。


見るからにゾンビ、どう見てもゾンビ。

ガー。だのア゛ー。だのと声を上げ、手を上げたりーーーに手を向けてきてゆっくりゆっくりやってくる。

ゾンビ達は、もう何年も自分達を見て恐れおののき、喚いて逃げ出す人間達を見てきた。

だから、初めてだった。

自分達を見て、キラキラした目を向けてくる人間は。

「うわ、ゾンビだゾンビ。スゴい、ホントに土の中から出てきた!なあなあ、今の苦しくなかったん?それとも土の中にちゃんとスペースがあるの?」

口は元々開きっぱなしのゾンビもいるが、ーーーの反応にはその場にいる全ゾンビがポカンと口を開いた。

「なあ、ここ広すぎて道分からへんのやけど、どっちが出口?」

「は……?え……?」

「あ、ゾンビって喋れへんのだっけ?」

「いや、喋れるが……」

「出口なら、あっちだ」

「ありがとう。バイバーイ!」

「ば……、ばい、ばい……?」

ニコニコ笑うーーーに手を振り、我に返ったゾンビ達は、一斉にショックを受けた。

これにより、ナミ達やルフィ達に対していつも以上に張り切る結果となってしまったのだが、その原因となったーーーには、知る由もなかった。



◇◇◇◇



サッチらは、船を降りーーーの捜索へと向かった。

謎の海流で船は舵も利かず流され、巨大な蜘蛛の巣へと捕らわれた。そこで、誰も乗っていないミニメリー号を発見。

ーーーらは島に降りたのではないか?という話になり、麦わら一味とサッチ達は一緒に仲間を探しに出たのだった。

「何でコイツらとなんか……」

「そりゃお互いのセリフだ狼牙。グチャグチャ言ってんじゃねえよ」

「ヤメろヤメろ。こんなとこでケンカしてどうすんだ、今は仲間を捜すのが先だ。そうだろ?」

「ああそうだ!そしてあのオバケを見つけて、俺は飼う!」

「や。そこは無理だろ」

「チャパパー。コイツ、アホなのだ」

「今更過ぎて、言葉もねえよ」

そんな様子を見て、ルッチが呆れたようにルフィを追い越す。

それにムッとしたルフィが、ルッチを追い越す。

それにムッとしたルッチが、ルフィを……とくり返す。

「バカじゃねえの?」

ジャブラの呟きに、その他一同、心の中で同意した。


彼らをまず出迎えたのは、地獄の番犬。



(かわいそうに。……番犬が)