俺様会長と辛辣副会長

2-8

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パソコンを開いて立ち上げ、防犯カメラの録画映像を見る。

いくつも並ぶ映像の中に彼女の姿を姿を探していると、テニスコートから少し行った所にある人気のない水飲み場の所の映像に彼女を見つけた。

そこをクリックして全画面に表示させる。カメラの設置場所のせいで、彼女の後頭部しか見えないが、彼女の様子を見るに何度か口をゆすいでいたり、何かを吐き出している様に見えた。


――何か、あったんだな。


少しして、その映像に新たに3人の女子生徒が現れた。音声はないが、彼女たちの雰囲気からして、決して良い仲ではないことだけは分かった。

3人の女子生徒は、彼女の正面から左手側に回ってきた。3人がそれぞれ何か言った後、1人が彼女の肩を押した。その勢いで彼女は尻餅をついた。


「樺地、この3人の女子生徒について調べておけ」

「ウス」


樺地に指示を与えた後、再び映像に目をやる。1人の女子が水道の方へ近づいて行き、少しして彼女の手元辺りから水が勢いよく雪城の方へ放出された。

その後、3人の女子は笑いながらその場を後にした。残された雪城は思い切り地面を殴った後、ゆらりと立ち上がって汚れた手を洗った後、ポケットから取り出したハンカチで手を拭き、制服に付いた砂などを叩いて落とす仕草をした後、そこからふらふらした足取りで去って行った。


――あの女子生徒たちには釘を刺すとしても……一体何を言われたんだ。こんな雪城、見たことがねぇ。


彼女の姿がなくなって止まった映像を睨み付けながら、俺は机の上に置かれたカップに残っているコーヒーを一気に流し込んだ。


―――


「学校から詩織が熱を出して倒れた、って連絡が来たけど……何かあったの?」

「別に……」

「そう……。あまり詮索はされたくないだろうからしないけど、無理だけはしないこと。周りの人を頼れたら頼ること、いいね?」

「分かった」

「よし。それじゃあお母さんはお粥作ってくるから、待っててね」


あいつが部屋から去って少しして、入れ替わる様に入って来た母親の車に乗って家に帰った私は、取り敢えずまだ少し湿っていた制服から寝巻に着替え、髪の毛を適当に乾かしてからすぐに布団に入った私に、母親はそんなことを言ってから部屋を出て行った。


周りを頼ること、なんて無理だった。苦手だとかそういうのよりも、頼った人に迷惑が行くのが嫌だった。

何より、誰かに頼ったらそれだけで私に“卑怯者”とかのレッテルが新たに追加されてしまうと思った。

結局自分の身が可愛かったのだ。我が身可愛さで私は周りを、助けの手を払ったのだ。


――最低、だ……。


身体の不調の所為で緩んでいる涙腺から涙が出て、こめかみを伝い枕に落ちて行った。

瞼を閉じると、浮かんできたのは少し悲しげな表情をしていたあいつの姿、そして風花や朔、秋たちの姿だった。


――……こうしてしまったのは、私なんだ。嫌われても仕方がない。だけど、ここで立ち止まるのもいけない。必ずステージジャックを成功させて、私たちの主張を、言葉を、気持ちを、叩きつけるんだ……。


片腕を目を覆うように置き、グッと唇を噛み締める。


――もう、泣かない。泣いてる暇はないんだから。