わたしの幼なじみ

椿@ラスゲはまだ死んでいない
@hamii33

3告白現場に遭遇

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「す、好きですっ!私と付き合って下さい!!」



図書室で本を探していると、聞こえてきたのはそんな声。ああ、いてはいけない現場に居合わせてしまったと慌てて隠れて後悔している私に、今度は告白を受けた相手の声が聞こえてくる。



「すまないが、オレには彼女がいるから、キミの気持ちには応えられない」



誰の声かなんて、考えなくても分かる。私は何とも運の悪い事に、赤司君が告白されている現場に遭遇してしまった。



「か、彼女、いたの?」

「ああ、すまないね」

「それは、あの、遥さんじゃなくて?」

「なんだ、あの子を知っているのか」

「…え、でも、彼女はただの幼馴染なんでしょう?」

「…ああ、そうだね。訂正しよう。オレはただの幼馴染の女の子が好きなだけだよ」



あいつ、赤司君、私をどれだけヒールにしたら気がすむんだよっ

物陰で悪態を吐く私のことなど露知らず、二人の会話は進んで行く。


「でも、彼女は赤司君をそんな風にみてないよ」

「…そう思う?」

「だって、赤司君のいないところで悪口言ってるって聞くし、」

「悪口は聞き捨てならないな。今度叱っておこう」

「うざいって、言ってたって」

「へえ……」



うわ、なんか、嫌だなあ。二人に聞こえないようにため息を吐く。噂にされるくらいには、やっぱり赤司君は目立って、私は悪い意味で目立ってしまう。うざいなんて、言ったことな……くはないけれど、そんな風に悪意を込めて言ったはずは無いと思うのに。



「だから、きっと、好きじゃないし、私の方が、きっと赤司君を幸せに出来ると思う!」

「…うん。言いたい事はそれだけかな?」

「え?」


え?


彼女の声と、私の気持ち。見事にシンクロしてしまって感動してしまう。



「オレの幸せを考えてくれてありがとう。それでもオレは、あの子が大好きで、彼女の隣でしか幸せを感じたいとは思わない」

「あかし、くん…」

「だからすまないけれど、オレの事は諦めてくれ」

「…なんで、あんな子、」

「彼女を陥れようとする言葉は、オレには全くもって無意味だし、その持て余した感情を彼女にぶつけようものなら……一生後悔することになるから、ね?」



その言葉に女の子がどう反応したのかは分からなかった。女の子はそれから何も言わずに、その場を後にした。残された私と赤司君。赤司君もすぐにその場を離れるもんだと思っていると、



「で、オレの何処がうざいって?遥?」

「ぎゃあっ!」



いつから気付いていた?なんて、くだらない質問はさておいて、しゃがんだまま顔を上げない私に、赤司君がしゃがんで視線を合わせてくる。それでも顔を上げない私に、赤司君が苦笑いした。



「遥」

「……なに、」

「………傷ついた?」

「え?」

「お前の良さは、お前の友人も、部活の仲間たちも皆知っているよ。…だから、泣くな」



ぽろぽろと落ちて行く涙をみて、赤司君はそっと私を自分の方に引き寄せて、そのまま抱きしめた。



「あ、かし、くんは?」

「ん?」

「あかしくんの、名前がなかったっ」

「…今さら、言う必要があるのか?」

「あるよっ」

「ああ、もちろん、オレもだよ」

「…っ、うえっ」



昔っから、私が泣くときは、赤司君がいて、泣きやむまで傍にいてくれる。

転んで泣いた時も、喧嘩して泣いた時も、嬉しくて泣いた時も、全部全部。

私には、勿体ないくらい、優しい人。



「うざいとかいって、ごめんなさいっ」

「…本当に言ったのか、それ……」



それでもあの頃、赤司君に見つからないように、私はひとりで泣くこともあったけれど、それすらもきっと、赤司君は見抜いていたんだろうって思うから、やっぱり赤司君は優しくて、いつだって私の大好きでしょうがない人であり続けるのだ。