Love is suddenly

にゃぬ仔(本垢居座り期間)
@nyanuko_yume

悪魔のプレリュード

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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07


控室に向かう途中、

同じチームカラーの女性に

名前の居場所を聞き出すと、

今は外に気晴らしに出ているらしい。


安室はお礼を言ってから

正面玄関の方へ向かうと、

ガランとした廊下に一人の人影を捉えた。



小柄な身体に、紺色のジャージ。

下は先程と違って長いウィンドブレーカを

着込んでいる。


「名前さん!」



安室がその姿が名前だと確信を持つと、

名前を大きな声で呼んだ。

それに反応した名前は、

すぐさま振り替えると、

ぱっ、と花を散らしたように微笑んだ。



「安室さん、来てたんですね!」


「ええ、丁度バイトのシフトも

空いていましたので」



その流れで安室は持っていた

かわいらしい包みに入ったタッパーを

快く渡した。


近くにあったベンチに二人で座ると、

恐る恐るタッパーの蓋をあける。



「これって、レモンのはちみつ漬けですか!」


「お疲れでしょうから、良かったら貰ってください」



遠慮なく、と笑い返すと、

ひとつだけ摘まんだ。


口に運びやすいように小さめに切られた

レモンのきれに、プラスチック製の小さなフォーク。


酸っぱさは多少残るものの、

はちみつの甘さが疲れに染み渡る。


「とても美味しいです!

ありがとうございます!」


「喜んでもらえてよかったです」



もぐもぐと口を動かす彼女は、

安室が喜ぶ顔を見て、どうしてか胸がほっこりするようだった。


静かな空間には遠くの方から聞こえてくる

バスケットボールが床を何度も跳ねる音が響く。


それに交えて一つのせわしない足音が

二人に近づいてくる。


「アッシュ!」


誰かの名前だろうか、安室がそう思った時、

隣に座っていた名前がそれに

反応し、向かってくる銀髪の女性に手を振り返す。


「サンディ??どうしたの??」


「どうしたのじゃない‼

もうミーティング始まるよ‼」


サンディ、と呼ばれた女性は名前より

自然な銀髪、プラチナブロンドの長髪を携えていた。


そう、よく知っているあの人も

こんな髪色をしていたな、と

あまりいい気分では無かったが

立ち上がって挨拶をする。


「すみません、僕が引き留めていたばかりに」


「いえ、忘れていた私も悪いので」


控え室に戻っていく彼女が

嬉しそうに振り返りながら

例のタッパーを「ありがとうございます!」と掲げ、その場を去っていった。



ーーー


時を同じくして、毛利探偵事務所では、

一人の小学生が留守を預かっていた。


最近買った推理物の小説は、

犯人が途中でわかってしまい、

面白味に欠けて、本を閉じてしまった。


手持ちぶさたになってしまった少年、

江戸川コナンは、暇潰しにと

阿笠邸へと向かおうと椅子から飛び起きた。



特別なエンジンを搭載した

スケートボードを担ぎ、

長い階段を一気にかけ降りた。


すると、見慣れた顔の女性が

階段を登ろうとしていることに気がつき、

コナンは明るく声をかけた。



「梓さん、どうしたの?

いま小五郎のおじさんいないけど…」


「あっ、コナン君。丁度よかった」



前髪を広く横に分けた明るい印象の女性、

榎本梓は数枚のコピー用紙を両手に

コナンの目線に合わせるように膝を曲げる。



「いまお店の方にね変な

ファックスが流れてきたのよ」


「変なファックス?」



一般家庭での使用頻度は少ないが、

企業などの間ではよく使われている通信手段。


1階の喫茶店、ポアロでもそれはよく使われている

のにも関わらず梓は眉をしかめた。



「そうなのよ。最初は間違いかな?

とも思ったんだけど…」



コナンはその束を受けとると、

一番手前にあった送付状に目を通す。


送り主は帝丹高校、受信するはずであった相手は

バスケットボール協会 スパークル。


聞き馴染まないチーム名であったが、

内容は体育館の使用状況を伝える文章だった。


さらに捲っても、細かいスケジュールが

綺麗に表にされたコピー用紙が並ぶだけであった。



4、5枚ほど目を通したあと、

がらりと内容が変わった1枚が目に飛び込んでくる。


梓はそれそれ、と指をさし、

なにか嫌な感じがしたので小五郎に

相談しにきた次第だとコナンに伝える。

それは今までとはうってかわって、

ワード文書で雑に作られたものだった。




"アイリッシュ、フルタイムの勝負をしよう。


俺は孤高のブザービーター。


初めは一段階。


なぜなら、海洋が嫌いだからな。"



流石のコナンも不審に思い、

梓を見上げると安室さんの所在を聞くが、


今日彼はバイトはお休みで、

丁度帝丹高校で行われているバスケの試合を

見に行っているかもしれないという。


続けて梓はそういえばと

口元に指を付け、なにかを思い出すように

視線を上向きにする。


「そのファックスの送り先のスパークルっていうチーム

今日、帝丹高校で試合やってるのよ」



蘭が昨日言ってたやつか、と

昨夜の事を思い出すと、途端に胸がざわめく気がした。