かえらず

さまよった場所

これは、俺が体験したことだ。

お昼を食べて、少し寝ようと思って昼寝をし始めた。

ちょっと時間がたった後目が覚めた。

すると、そこは俺がいた部屋ではなかった。外にいるかのようだった。

辺りは一面真っ白で、まるで霧のようだった。

夢かと思った俺は頬をつねってみた。

「いってー…」

つねってみてこれは夢ではない。そう確信した。

それに、さっきまで履いていなかった靴も履いていたし、地面は草が生えていた。

外にいるようだ。

どうしようかと思った俺は視界が悪い霧の中をゆっくり歩いていくことにした。

「ここどこだよ…それに、なん、も見えねー」

途方に暮れた俺は、大声で「おーい!誰かいねーの!?」と言った。

しかし、何も声は聞こえなかった。

仕方なく歩き始めてかなりの時間がたった。

「うわぁっ!」

霧の中から突然木が見え始めぶつかってしまった。

どうやら、この辺には木が多くあるようだ。

「森…か?」

「だ、だれっ!?」

突然声が聞こえた。焦った俺は「あ…えっと」といった言葉を返してしまった。

我ながら恥ずかしい。

「に、人間…?」

「そこに誰かいんの?迷っちまってさ~ここどこか分かる?」

「こっちに来ちゃだめだよ!ここは、人間界と妖怪界の狭間。」

「何だよそれ~冗談だろぉ~?またからかって…ってかその声チョロ松?」

「…うん。なんでそれを?」

「だってお前の兄ちゃんだし、当たり前だろ?」

俺は鼻の下を擦りながら話をする。

すると、チョロ松が言う。

「おそ松兄さん…?」

「そうだよ。」

「お帰り。ここ、迷いやすいからね仕方ないと思うけど今回だけだからね?…一緒に家に帰ろ」

「そうだな。」

にししっと笑ってチョロ松についていこうと思ったとき。チョロ松背が小さいことに気が付いた。

まるで、昔のチョロ松を見てる感じだった。

でも、声は今と同じで…でも、いつものパーカーは着ていないし、浴衣だった。

それに、包帯がグルグルと頭と腕、足にいっぱい巻いてあった。

気になってしまった俺はチョロ松に問う。

「お前…どうしたの?その包帯と浴衣」

「え、何言ってるの?俺はいつもと同じ格好だよ?」

「…んなわけないだろ。だって、俺と色違いのパーカー着てんじゃん!」

「他人の空似じゃないの?全く…」

「……。」

他人の空似という言葉が俺の中に響き渡る。

よく分からなくなってしまったまま深い霧と森を出た。

すると、そこは全く知らない場所で。

知らない街並み。山に囲まれた場所だった。

「ねぇ…ここどこ?」

「どこって。俺らが暮らしてる赤塚町だよ。とうとう頭までおかしくなっちゃった?

だいたい、人間界に行きすぎなんだよ。おそ松兄さんは。」

「ごめんって…」

とりあえずチョロ松に合わせて話を進める。

しばらく歩くと家と思われる場所に着いた。見るからにボロボロで、年季が入っていた。

中に入ると、青い羽が見えた。目を見開いた俺はそこで立ち止まる。