【文スト】 文スト夢深夜の60分一本勝負【まとめ】

緋寄@沼の底
@Enph_hiyo12

お題『試合終了』 開催4月1日

「だからちゃんと脱いだ服は洗濯機に入れてって云ってるじゃないですか!!」

「判ってるって、でも見つけたら入れてくれたっていいじゃないか」

「入れました!でも黙ってると太宰さんはいつもその儘なので云ったんです!」


太宰と式部。いつもは喧嘩は全くないが今日は少し様子が違う。如何やら式部の鬱憤が溜まっていたらしい。

 彼は少し困ったように脂汗を掻きながら式部の怒りを受けていた。彼女は口調は何時のも儘だが結構な声量で怒鳴っている。

 喧嘩の内容は中年の夫婦のような理由だ。


「でも急に怒らなくても…」

「今まで云わなかっただけですぅ!云わないと一生判らなそうだから!大体貴方は雑すぎなんです。もう少し綺麗にしてください!」


太宰は今まで女性と付き合ったことはある。だが同棲は初めてだ。だから暮らし始めてお互いに合わない事も見つかる。でも其れは最初から判っていたことだ。式部も其れを承知の上で同棲を受け入れたわけだし、急に怒られても太宰は困ってしまう。


「云いたい事を溜めていてもストレスになると聞いたので云ったんです。…だから云いたいことは此れまで以上に云うつもりです。だから、そんな私が厭なら別れたって善いんですよ…?」


怒鳴るのを止めて落ち込むように呟く彼女に太宰は掛ける言葉を一瞬迷った。別れるかどうかではなく、式部が自分とずっと一緒にいたいからこその行動なのだと理解したからだ。

 ストレスを溜めると善い事なんてない。此れからも続く同棲、そしていずれはする結婚、そうなったとき、お互いに云いたいことを云えない関係は愛し合っているとは云えないだろう。


「うん……そうだね」


太宰の呟きに式部は肩を震わせた後に顔を上げた。目頭に涙を溜めて、今にも泣き出してしまいそうだ。太宰に振られてしまうと思っていたのか。


「云いたい事は教えて呉れないとね……」


泣きそうな式部を抱きしめると、彼女は途端に声を上げて泣き出してしまった。


「ごめん…此れからは気を付けるから……怒らないでとは云わないから…泣かないで」


肩を震わせ、太宰の胸板に顔を埋める式部の頭を優しく労わるように撫で、もう片手で背中をさすり、呟いた。

 すると式部も声を上擦らせ乍ら「…私も、急に怒ってすみません…っ…」と云い、彼の服をぎゅっと握る。

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