写真部審神者と大和守安定

蕚*進級に抵抗ロール
@Koyuki_Rana

今日も

「主―、起きて。朝だよー」


戸を開けた音がした。太陽の光が差し込んできて眩しい。故に目を開けられない。


「誰…?声的に…安?」

「うん。僕だよ。ほら、みんな待ってるから」


バサッ


うーわ、布団剥がれた。主に対する行為じゃねーよ…寒…。


「おはよ……」

「……おはよう」

「カメラどこ―…?」


目を瞑ったまま手当り次第にカメラを探す。俺の愛用品。

俺の一眼レフ―――……。


「ここだよ。はい」


安が俺にカメラを渡してくれた。

そして俺は頑張って目を開け、そのカメラを構える。

「ありがと…せ―の―」


パシャ


安の写真を1枚。

「よっし!今日も1日頑張るぜ―!」

少し驚いた安が撮れた!

いや―、やっぱみんなの自然体な表情はいいね―。俺の1日は、起こしに来てくれた奴の写真を撮って始まるのだ。


「もう…本当に写真が好きだね」

「まぁね。部活も写真部だし」


俺がそう言うと、安は部屋の入口付近に座った。

そして、不思議そうな視線をこちらに向けた。

(ちなみに俺は布団の上に座ったままだ)


「ねぇ…なんでそんなにたくさん写真を撮るの?」

「え…?」


改まって何を聞いてくるのだこの人―…この刀は。


「常にカメラ構えてさ、何かあるごとに連写して。さっき僕が起こした時も撮ってたし」


「……」


そんな事急に聞かれてもなぁ…。


「好き…だからかな…」


小さな声でそう呟いた。


「…写真が?」


「それもそうだけど…お前らのことがだよ。俺はこの本丸の奴らのことが好きだから。笑ってる顔とか、驚いた顔とか、慌ててる顔とかさ…。みんなの…色んな所が好き。それを、一緒に過ごした時間を、ず―っと、残しておきたいんだ」


そう、ここにいて、みんなと笑ったり泣いたりしてる時間が…俺は好きなんだ。ずっとずっと、残しておきたいんだ…。


「……」


安は、黙ったままこっちを見ている。何を考えているかは分らない。

そんな安に、俺はカメラを向けた。


パシャ


急で、意味不明な俺の行動に、安は驚いたようだ。


「えっなんで撮ったの…?」

 

眠りから覚めたように目を開き、俺に対してのツッコミだ。

しかし俺は一切ボケてないぞ。


「今だって、残しておきたい時間の一つだからだよ。安と話してるこの時間も、俺は好きだよ。…たくさん刀がいるからさ、こうして一対一で話すなんて滅多にないしな」


明るめの口調で言った。

俺シリアスっぽい雰囲気嫌いなんだよな。まぁ、今回は自分で作ったんだが。


「……っ」

「ん?照れた?照れちゃってる―??これはシャッタ―チャンスだな!こっち向いてくれ―!」


安の耳が、ほんのり赤くなっている。

俺の言葉を意識しちゃったかな―??

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ


「ちょ、連写しないでよ!!」


慌ててマフラ―で顔を隠す安の言葉を無視して、連写を続ける。


「これは一生残るぜ~?俺、撮った写真は消さないし」

「うわ…清光に見せないでよ…?」



はいはい、とひとこと言ってからもう一度、適当さを誤魔化すように口を開いた。


「俺ら人間はさ、死んだら記憶が…それどころか意識も存在もなくなるんだ」

「な……」


一瞬、不安そうな顔が見えた。


「でもさ。残しておけば、お前らは覚えててくれるだろ?…忘れても、思い出せるだろ?」

「あ、当たり前じゃないか!…ていうか、残しておかなくても…ずっと…忘れない。ずっと…覚えてるよ…」


そう言ってくれた安の顔は、前の主を思い出してるような…そんな顔に見えた。


そっか…なんか…嬉しいなぁ……


「ありがと!」


俺は笑った。いつも通りの笑顔。

なんか、涙が出そうなんだ。でも、朝から泣いてちゃ、かっこ悪いもんな…。

泣きそうなときは笑えばいい。そう、教わったからな。


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